この記事はAgent Grow Advent Calendar 2024 17日目の記事です。
最初の独り言
今年はシンプルに本文中に画像なしの記事にしようかなと思います。
そりゃぁ、画像があった方が華がありますし、伝えやすい。
そこをあえて文字のみで、何かを伝えようという、およそマゾヒズムの塊のような挑戦をしようというのです。
あ、でもアイキャッチ画像はさすがに載せます笑
次の独り言
初めて作る料理、久しぶりすぎてレシピがあやしくなった料理、そんな料理を作るときに参考にするのがレシピサイト。
私はその際、必ず複数見るようにしています。完成品の味の想像はつかないけれども、何の味が強くなるかくらいはわかるから。
後はそれぞれの良いところ、良さそうなところを取って、自分なりのレシピに仕上げてから料理します。
でも、気付いたことがあります。
なんでこの工程が存在するのか、なぜこの順番なのか、なぜそこまでやらなければいけないのか、なぜその具材の組み合わせなのか。
それらが書いてあるレシピはもの凄く少ない。
書いてあったところで、そのうちの一部に書いてあるだけ。
初心者は何もわからないままレシピを模倣して、なにやら失敗をしてもどこがいけなかったのかわからない。
我らの母や祖母など先人たちには、それらを乗り越えた経験が自然にケアしているので、大きな失敗なく美味しい料理を作ることができる。
しかし我らはどうだろうか。
さしすせそを知る
有名どころから。
さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)のことですね。
ご存知の方も多いかと思いますが、これはこの順番で入れるべし、ということ。
なぜ砂糖は塩より前なのか、それは砂糖の分子が塩の分子より遙かに大きいため、
塩を先に入れると砂糖の分子がしみこまなくなるから。
瓶の中に、石をいれてから砂を入れるのか、砂を入れてから石を入れるのか、を想像していただければ。
酢は強い酸味があるので、ある程度飛ばしたいが、飛ばしすぎると良さまでスポイルするので中頃に。
醤油は香りが飛びやすいので最後の方に。
味噌なんかちょっと沸かしただけで香りが換気扇に吸い込まれていくので一番最後。
お味噌汁を作るときに火を止めて味噌を溶くのはそのため。
これを知っているだけで失敗は減ると思います。
旨味成分を知る
肉の旨味、魚の旨味、野菜の旨味、旨味旨味旨味…
よく使われる旨味という単語、私もよく使っていましたが、それは一体何者なのか、知らずに使っていました。
経験から紐解いていきますと
鰹と昆布の合わせ出汁は美味い
昆布と椎茸の合わせ出汁は美味い
味噌汁に貝を入れただけなのに美味い
ホワイトシチューにアスパラガスを入れると美味い
干し椎茸の戻し汁は極少量入れるだけで効果抜群
おにぎりに海苔を巻いただけなのに美味い
これらは旨味成分の掛け算だと言われている。足し算ではなく、掛け算。
どの食材にどの旨味成分が入っているかはお調べいただければと思うが、
イノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸、コハク酸、アスパラギン酸、
私はこの5つの旨味成分を少し意識しただけで、料理が格段に美味しくなった。
実例として、ホワイトシチュー調理にて、ルウを入れる前の茹で作業の際にエノキの出汁と貝の出汁を入れてみて欲しい。
これで旨味成分が4つ、十分な量揃うことになるため、とても美味いホワイトシチューができるという構図です。
一晩寝かせるとは
よく言われる、一晩寝かせたカレーは美味い。
このロジックは、温かいものが冷えていく過程で具材に味がしみこむ、というもの。
煮込んだら煮込んだだけ美味い、というのは半分本当で半分嘘だと個人的には思っている。
確かにホルモンやスジ肉などは、柔らかくするために長時間煮込む必要がある。
しかしながら、それをジャガイモにはできない。大根にも人参にもできない。
彼らに味を染みこませるためには、寝かすという作業が非常に有効的だという話であるが、注意点もある。
ゆっくり冷やすこと、油分が含んでいたりとろみがあると染みこみにくくなること、
後でまた加熱するからと中途半端な火の通し方をしないこと。
カレーの工程を見てみる。
1.具材を炒めて、2.水から具材を茹で、3.具材に火が通ったらルウを入れ、4.とろみがつくまで火を入れる。
この2と3の間に「一晩寝かせる」という工程を加えると、具材それぞれが持つ旨味が、
それぞれの具材に染みこんだ上に、カレーのルウが乗る、という構図になる。
これはもう美味くないわけがない。
もう一つ、どういうわけか、嫌いな人がいう「人参臭さ」が消えるので、人参嫌いなお子様がいるご家庭では試していただきたい。
語り足りない
知り合いの料理人曰く
料理が上手ではない人の共通点は、「サボってはいけないところをサボる」こと
料理が上手な人の共通点は、「手間をかけるべきところに手間をかけている」こと
でもそれは、レシピも全てが網羅されているわけでもないので、
何が大事なのかを知らないとたどり着けない境地だと思います。
料理は経験がモノを言うことの代表格なのでしょう。
ですが、先人が積み上げてきた経験を先に知ることはできるし、それは決して罪ではないとも思う。
ああ、この情熱を仕事に注げたらなぁ。