少し前の出来事ですが・・・
こんにちは。かっつです。
前々回の宣言通り、今回はUMTPについて語ります。
と言っても、受験したのはレベル4段階中のレベル2までですが、よろしければ参考にどうぞ。
UMTPとは?
業界の方々には説明不要ですので、細かいことは省略します。
無論、ググると様々なところから情報が得られます。
一言で表すと「UMLを正しく使って設計できるか」を問われる試験です。
以下のサイトで大体のことは分かります。
UMTP 特定非営利活動法人UMLモデリング推進協議会 – 「UML」でモデリング技術の向上を推進
◆試験自体の特徴(ざっくり)
・出題数が少ない(L1:30問、L2:15問)
・選択式の知識問題の他、パズルのようにはめ込む形式の問題が出る
・設問ごとに部分点は無い(外せば0点)
・合格基準がレベルにより異なる(L1:80%、L2:65%)※L1が厳しい
・試験時間は問題数に対して長め(L1:80分、L2:85分)
・CBT形式だが、図が多く操作が独特なのでやりにくい(時間が長いのはこれを考慮しているのか?)
↑要するに、操作性が良くない状況で1問1問を確実に取らないと厳しい試験ということです。
受験した理由
①危機感
私はUIやデータモデルなど、様々な観点からの設計を担当することが多いのですが、
なんせ勉強嫌いで全て独学と経験だけで乗り切って来ました。
しかし今後、参画先が変わった時に迅速且つ柔軟に対応できるようにするには
共通言語を身に着ける必要があると「本当に今更」考えたので、勉強することになりました。
②報奨金
当社では、この資格に報奨金が出ます。
現時点の金額はL1が受験料負担のみ、L2は「基本情報技術者」と同じです。
因みにまだ受験していませんが、L3は「応用情報技術者」と同じ、L4は不明(そもそも受験ハードルが高すぎるので)です。
勉強時間で比較した場合、体感として約7倍違うのでコスパが圧倒的に良いのが魅力です。
③知識の流用
どうせなら、得られる知識を他の試験にも流用したいと考えました。
応用情報技術者試験
・午前:1~2問は出そう。
・午後:情報システム開発(シーケンス図など)、組み込みシステム開発(状態遷移図)、データベース(ER図→クラス図に似ている)
プログラム言語の資格
UMTPではオブジェクト指向の知識も必要となりますが、それも流用が出来そうです。
・JAVA:オブジェクト指向と言えば、まずJAVA
・Ruby:Silverでも出題されるが、Goldではさらに重要
勉強方法や時間について
期間と1日の勉強時間
大体、L1とL2は同じくらいと考えて良いと思います。
・日数:L1、L2ともに各3週間ずつ
・時間:L1、L2ともに各42時間(1日あたり2時間)
レベルが違うのに、時間が同じなのは合格基準が違うためです。
L1が80%取らないといけないのに対して、L2は65%。
つまり、まずL1の方を慎重に進める必要があるのです。
L2はL1の知識がかなり役に立ちます。
使用した教材
書籍
ここで残念なお知らせがあります。
まず、試験対策としては電子書籍版はありません。紙版のみです。
そして、なんとL1は最も有効な問題集は既に絶版です。
L1対策は、以下の2冊です。
[改訂版] UMLモデリング技能認定試験<入門レベル(L1)>問題集 -UML2.0対応
通称「白本」。
現在、唯一新品で買える参考書です。もはや消去法で必然ということです。
そして、もう1冊。これが重要にして絶版になっている本です。
徹底攻略UMLモデリング技能認定試験問題集―L1(T1/T2)対応 (ITプロ/ITエンジニアのための徹底攻略)
出ました「黒本」※いつもお世話になっておりますm(_ _)m
古本でぼったくり価格になっております。
私は涙を飲んで6000円で買いました(そして同じ価格で売却しましたw)
そして、個人的にはL1受験後すぐにL2に取り掛かるべきだと思いますので、以下の本も抑えておいた方が良いです。
またまた「黒本」。
L2はこれ一択です!!
一応、新品でぼったくられずに買えます(ペーパーバックという形式で)
ちなみに、選択肢は他にもありますが・・・
通称「緑本」。
どっちも古本ぼったくり価格なので、白黒があれば不要です。
もし、既に持っているというのならこれでも良いとは思いますが;
公式サイト
サンプル問題があるので、絶対に抑えておきましょう!
もし受験を迷っている人は、まずこれを見てから決めても良いのではないでしょうか?
受験申込や参考書を買うのは、それからの方が良いかも。
動画
同じく公式サイト経由で、YouTube動画で過去のセミナー動画を観ることが出来ます。
(YouTube直接でも良いですが)
これらの動画、試験対策として絶対に観た方が良いです。
無料セミナー
時期的に運が良ければ、無料のオンラインセミナーを受講出来ます。
私はL2のセミナーを受講しました。
その時、セミナー限定のサンプル問題があり、すごく得した記憶があります。
スケジュールをチェックしておくことを是非おススメします。
勉強方法
基本的にはひたすら読み、解きを繰り返すことになりますが
若干、特殊な点があります。
L1編
参考書を手に取り、まず「?」となると思います。
「T1、T2って何ですか?!」
以前は、T1とT2で試験は別々に実施されていたようです。
現在はT1は試験が廃止され、T2だけになっています。つまりL1の試験範囲はT2だけです。
ちなみに、黒本もT1の部分があります。
結論を言うと「T1の部分イラネ(´-ω-`)」なんですけど、1回は通しでやりました。
※設計や開発の経験が浅く、且つ初学者の場合はT1からしっかり勉強しましょう。
この画像を御覧下さい。なんとなく、T1とT2が半々なのが分かりますか?
分冊して価格を下げて欲しいですよね;
基本的に、T2ベースで勉強を進めて、分からない表記があればT1をリファレンス的に使うというのがベストかと。
◆肩慣らし
①白本のT1を1周
②黒本のT1を1周
◆本番
①白本のT2を1周
②黒本のT2を1周
③公式サイトの動画を視聴
④公式サイトのサンプル問題を解く
⑤あとは①②④を可能な限り繰り返す
L2編
もう、やることは決まっていますね。
◆本番
①黒本を1周
②公式サイトの動画を視聴
③公式サイトのサンプル問題を解く
④あとは①②③を可能な限り繰り返す
ただし、ここでは逆に「やめておいた方が良い」ことがあります。
それは「更に先に進んでしまう」ことです。
例えば、試験直前にこれらの本を読むことです。
UML モデリングのエッセンス 第3版 (Object Oriented SELECTION)
L2から更にL3にステップアップするには必要かもしれませんが「まだ早い」のです。
試験の範囲はあくまでもUMLを正しく使いこなせることなので、モデルのあるべき論まで踏み込んでしまうと
設問の正解がそもそもモデルとして良くないとか、余計なことに神経が向いてしまうと、個人的には思います。
L3に挑戦する時に、好きなだけ読んで下さいw
当日と結果
受験の感触
テストセンターが、L1とL2では違うところで受験しました。
結局、プロメトリックでもピアソンでも操作性の悪さはどっこいどっこいでした。
無論、これは試験の性質上どうにもならないと思いますが;
L1は比較的サクサク進み、見直しする時間が確保出来ましたが、
L2は「ドラッグ&ドロップ」と「ウィンドウを開く閉じる」の嵐で手こずり、見直しどころではありませんでした。
そして結果
L1は手ごたえ以上の結果でした。
問題数が少ないから緊張しましたが;
一方、L2は時間ギリギリまでかかり、最後の方は志なかばで選択したものもありました。
なんとか合格ですが、結構外していますね。
問題数が少ないから、そう見えるのかも;
今回得たもの
報奨金!!・・・もそうですがw
何といっても、共通言語としてのUMLの知見と、設計者としての選択肢が増え視野が広がったように思います。
勉強前は、まともに使っていたのはアクティビティ図くらいでしたので、クラス図やシーケンス図、ステートマシン図なども使えるようになったのは大きな進歩です。
※設計者の言葉とは思えない気もしますが。。。
最後に
UMLはモデリングの共通言語ではありますが、必ず使わなくてはいけないものではありません。
あくまでもツールです。そして、使うことが必ず正解に結び付くということでもありません。
今後気を付けたいのは、現場でUMLの作法を無理に押し付けないようにすることです。
人は知識を得ると、それを試したくなるものです。
サポートするためのツールとして使えるよう、心がけたいと思います。
以上