この記事は Agent Grow Advent Calendar 2022 10日目の記事です。
なぜ乗馬を始めようと思ったのか
私は今、東武乗馬クラブ&クレインという乗馬クラブに所属しています。
毎月、週末に時間がある時に乗馬クラブに通って馬に乗っています。
乗馬をしていると言うと、色々と話を聞かれる事が多いのですが、あまりきちんと話せたことが無かったので、今回はブログにて、私の乗馬生活をお送りしようと考えたのでした。
個人的に乗馬を始めたのが、1年前の10月ごろでした。
よく聞かれるのが、「どういう切っ掛けで乗馬を始めようと思ったのか?」というものなのですが、
元々乗馬をやりたいという願望はありませんでした。
「東武」という名前が示す通り、この乗馬クラブは東武グループの一つである、埼玉県の東武動物公園に隣接しており、動物園の中から練習風景や、馬たちが顔を覗かせる姿を見る事が出来ました。
ここの馬達は、多くが元競走馬であり、競馬場で走れなくなった引退馬たちの第二の馬生の先として飼育されています。
馬房にも彼らの血統がしっかりと書いてあり、そこには競馬に詳しい人なら見覚えのある名前が幾つもあります。
元々、動物写真を撮るのを趣味をしていた私は、最も身近な動物園として東武動物公園に足しげく通っていた頃があり、その際の被写体として、自然と出入口近くで顔を覗かせる馬達を、最後に撮影する事が増えていました。
やがて、もっと近くで撮影したい、走っている姿を写したい、そしてこの大型動物に乗ってみたいと思うようになりましたが、それでも踏ん切りがつくまで凡そ1年ほど、「どうしようかな…」と思いつつ、馬達を写真で撮りつつ素通りする日々が続いていました。
ある日、動物園の中で配っていた東武乗馬クラブ&クレインの「乗馬体験チケット」それが私の行動を変えました。
実は当時、ちょうど単価が上がって給与に反映された頃だったので、よしやってやろうと一念発起して乗馬クラブに入会したのでした。
ちなみに、この時掛かったお金や道具については、後の「お金について」で詳しく説明します。
それでは乗馬を1年続けて色々と分かった事などを、つらつらと書いていきます。
乗馬について
さて、乗馬をするにあたって、私の行動はどんな感じなのか、お送りします。
まずは、東武乗馬クラブ&クレインの予約サイトから、翌月〜当月の乗馬の予約をします。
当日は時間の30分前集合、かつ準備も色々とあるので、時間の40~50分前にはクラブにつくように車を走らせます。
駐車場は東武動物公園と別で専用になっています。
なお、東武動物公園駅から無料の送迎バスも出ているので、車が無い人は電車でも行き来できます。
人間用の受付は2階になっており、会員カードを使って「騎乗券」「保険チケット」に記名して渡せば、チェック完了です。
騎乗券は乗馬1回あたり1枚必要で、保険チケットは1日有効なので、1日あたり複数回乗った方が後者はお得です。
乗馬用のヘルメット、落下の衝撃を和らげるエアバッグジャケット、乗馬ブーツ、鞭、手袋を装着して、いざ準備万端。
ちなみに、これら道具は全てレンタル(有料)も可能です。
さて、受付を済ませ、必要な装備を整えたら、相棒となるウマがランダム(?)で選ばれます。
受付モニターに、教室のランクの名前と本人の名前、相棒の馬の名前を確認したら、いざ馬房にGO!
本日の相棒は…オリービン!
引退競走馬で、高松宮記念(GⅠ)で走った事もある凄い馬です。
生涯獲得賞金は1億8,942万円。
私より遥かに稼いでいます。
かの有名なゴールドシップやジェンティルドンナ、ジャスタウェイと同期で黄金の2012世代の一頭。
ジェンティルドンナとジャスタウェイとは一緒に重賞を走った事もあり、アーリントンカップ(GⅢ)ではジャスタウェイの2着。馬に歴史あり。
馬には鞍、頭絡(馬の顔に付けるやつ)、馬のプロテクターを装着してもらったら、晴れて馬場に連れて行って乗り込みます。
まだ私は下から3つ目なので自分で馬装はしませんが、もう一つランクが上がったら自分で馬に装着するレッスンもあります。
さて、馬場に馬を出したらレッスンが始まります。
時間は約45分。
馬から落ちずに無事レッスンが完了したら、再び馬を馬房に戻して、今日のまとめを指導員から聞いて終了です。
本日のレッスンの振り返り中。
乗馬レッスンは、以上のような感じで終わります。
時間があれば東武動物公園は、乗馬クラブカードを見せるとフリーパスなので、中を見てみるのもいいかもしれません。
馬について
ここからは、乗馬に当たって馬はこんなに個性豊かなのか、と驚いた豆知識についてご紹介します。
・乗る馬は毎回変わる
乗馬をする度に、馬はランダムに変わります。
馬達は個性豊かで、素直な馬も居れば、気難しい馬、やる気が無い馬もいたりします。
特に初心者は馬への指示が分かりづらかったり不慣れなので、馬の方も言う事を聞いたり聞かなかったりします。
・馬は暑さが苦手、寒いのは得意
サラブレッドを始めとした、競争や乗馬に用いるいわゆる「軽種馬」の生産農家のおよそ9割は北海道。
元々寒冷地の動物だったこともあり、多くの馬達は寒さに強く、暑さに弱いです。
これが乗馬にどう影響するのかと言うと、夏場の馬達は運動するのに消極的で、逆に冬場の馬は積極的です。
人間が同じ合図をしても、冬の方がスピードアップしやすいという特徴があります。
・耳を伏せているのは機嫌が悪い証拠。でも…
馬の耳は感情表現を表す部位です。
一般的に、耳を前に向けている時は好奇心や関心を、後ろに倒している場合は警戒や不満、怒りを表しているとされています。
よく言われるのが、耳を絞っている馬は機嫌が悪いので近付かない方が良い、というものです。
が、実際は馬の耳はその状態で常に固定されるわけではなく、かなり目まぐるしく動きます。
例えば鞍を装着する場合、馬は胸辺りできゅっと締められるのが嫌なので、その瞬間耳がひゅっと後ろに向いたりしますが、だいたいすぐ元に戻ります。
夏の暑い時期、運動場に出たくない…と思っている馬の耳は後ろ側になっていますが、インストラクターは気にも留めず、
馬が嫌そうにしている、していないに関わらずササっと鞍や頭絡を馬に装着して準備してしまいます。
乗馬の馬はみなしっかり訓練されているので、不満に思っていても人間には渋々従ってくれます。
とは言え、そんな「イライラしている馬」に乗る時は、しっかりと気を引き締めて乗る事が重要だったりします。
・朝の馬はのんびり、夕方の馬は早く帰りたい
乗馬のレッスンは、朝9時頃から、夕方は16時過ぎくらいまであります。
馬達も毎日のローテーションを把握しており、自分たちの厩舎から引っ張り出されて準備が始まる時間と、
レッスンが終わって厩舎に戻ってご飯が食べられる時間帯を意識していたりします。
朝方の時間のレッスンでは、馬達はまさに「朝出勤したてのサラリーマン」のような様相です。
時々、引っ張られても面倒くさい…とばかりに出社拒否したがる馬もいますが、走り出すと徐々に調子が上がっていきます。
一方の夕方、そろそろ日がかげって厩舎に帰る時間が近付くと、馬達も浮足立ってくるようになります。
一日の終わりで馬達も疲れており、当然お腹も減ってピリピリしているので、馬に指示する場合も普段以上に気を配ってする必要があります。
因みに、私が過去2回見たことのある落馬も、2回とも夕方でした。どちらも怪我は無かったようですが…
まさに「馬は動物」を感じさせる時間帯です。
このように、同じ馬でも朝方と夕方でコンディションが異なり、それに合わせて乗り方も工夫する必要があるのもまた、乗馬の面白さの一つと言えるでしょう。
お金について
最後に、乗馬にかかるお金について紹介します。
以下は、東武乗馬クラブクレインの会費(HPより抜粋)になります。
ちなみに、私は土日しか乗らないので限定会員です。
正会員
入会金:165,000円
月会費:16,500円
騎乗券(平日) :1,650円(1レッスン)
騎乗券(土日祝):2,200円(1レッスン)限定会員(曜日限定/土日のみ、平日のみ等)
入会金:99,000円
月会費:8,800円
騎乗券(平日) :3,300円(1レッスン)
騎乗券(土日祝):3,850円(1レッスン)
これに保険チケットや、ヘルメット等をレンタルする場合はレンタル料がかかります。
騎乗券と保険は10枚綴りで、1レッスンあたり切り取って使う形式です(つまり買う時は10倍のお値段)
これは…お金が無いと出来ない趣味じゃな?(お金があるとは言っていない)
なお、U29向けの格安会員という制度もある模様。
こちらは入会金が27,500円からとかなり値段が違いますね。
次に乗馬用品です。レンタル品を借りる事も出来ますが、長く続ける場合は買った方が結果的には安いです。
・ヘルメット
2~3万円くらい。
割と汗だくになるので、レンタル品を使い続ける人はその辺り要注意。
・エアバッグベスト
4~5万円くらい。特注なので、色合いは注文するときに自分で選べます。
・乗馬ブーツ(セパレートタイプ)
2~3万円くらい。一体型はもう少し高い。
他、グローブや鞭、乗馬ズボン等、色々な道具が必要で、これらは主にオフィス内で売っていたり、ネットで買う事も出来ます。
このように乗馬はお金が掛かる趣味、というのは正しいです。
様々な出費が掛かりますが、馬と触れ合うという唯一無二の趣味、乗馬と言うのは得難い経験と楽しみをもたらしてくれるので、
もし乗馬をやりたいな、と思われた方のご参考になれば幸いです。
※ちなみに、馬に乗るだけなら東武動物公園にはポニーライドというアトラクションがあるので、そこでのるのも良いでしょう。
暮れなずむ夕日。