来年はネズミ年です。
この記事は Agent Grow Advent Calendar 2019 4日目の記事です。
世界で一番有名なネズミは夢の国のマウスですが、
日本の電気ネズミも負けてはいませんね。
古今東西ネズミのキャラクターは世界中で親しまれてきました。
しかし現実のネズミはどうでしょう。
牧草大好きプレーリードッグ(上野動物公園)
足元を走り抜けるドブネズミ。
疫病と不潔の象徴。
長く伸びた噛み付く歯。コワイ!
でも本当は多種多様。その数3000種とも言われる世界で最も繁栄している哺乳類「ネズミ目」
来年の干支でもある彼らの事を少しだけ紹介させてください。
彼らのことを知れば少しだけ、親しみやすくなるかもしれません。
そして来年の干支である「ネズミ」の豆知識を親戚や飲み会の席で披露してドヤ顔しましょう!
カピバラ
草をもぐもぐカピバラさん(埼玉こども動物自然公園)
トップバッターは、もはやだいぶ有名になった世界で一番大きなげっ歯類、カピバラさんですね。
最大で130cm、体重は60kgを超える重量級ながら、時速50キロで走る俊足ランナー。
南米アマゾン川や湿地帯に棲んでおり、見ての通り手には水かきがあるように、水の中が大好きです。
顔が平べったいのは、カバと同じく水面に顔を沈めながら、鼻と目だけ出して周囲を伺う事が出来るよう進化したからなんだとか。
飼育している動物園は数多く、上野動物園、東武動物公園、千葉市動物公園、埼玉こども動物公園など色んな動物園で会えます。
ミケリス
美しい3色の毛皮(上野動物園)
世界で一番美しいネズミ…それは何でしょう。
一説にはこのミケリスが世界で最も美しいネズミの仲間だと言われています。
「三毛」の名の通り白、黒、オレンジの毛色に覆われていて、タイやインドネシア周辺の島々に生息しています。
とても珍しい動物で、上野動物園の小動物館で見る事が出来ます。
プレーリードッグ
夕日の中周囲を伺う(千葉市動物公園)
プレーリーとは草原の意味です。
ドッグという名前は、天敵の猛禽類やコヨーテが近付くと犬のようにキャンキャンと鳴く事から付けられました。
穴を掘るという性質上、牛や馬が躓いて足を折ったり、畑を荒らすなどの被害から、北米では害獣とされてきました。
しかし、自然界では彼らこそが草原の手入れ屋。プレーリードッグによる適度な「芝刈り」こそが草原を豊かにしており、彼らが居なくなった土地では草原は荒地になってしまうのだとか。
動物園では栄養が行き届いているのか、もっちり丸々とした姿がよく見られます。
千葉市動物公園、上野動物公園、東武動物公園、埼玉こども動物自然公園など、多くの動物園で見られます。
ハダカデバネズミ
奇妙な姿に驚きの特性(上野動物園)
世界で最も奇妙なネズミと言えば、このハダカデバネズミを置いて他には居ないでしょう。
東アフリカに生息しているこの奇妙なネズミは哺乳類にしては例外だらけのネズミです。
哺乳類ではたった2種しか持って居ない「真社会性」と呼ばれる、アリや蜂のような厳密な階級制度があり、子供を作るだけの女王と不妊の奴隷達で社会が構成されています。
また歳を取っても殆ど老化しない、ガンに対して高い耐性を持つなど様々な特性があり、人間の不老長寿の研究の対象になっています。
上野動物園や、埼玉こども動物自然公園などで見る事が出来ます。
アフリカタテガミヤマアラシ
寄り添う姿にジレンマはありません(井の頭自然文化園)
ヤマアラシもまたげっ歯類…ネズミ目の仲間です。
アフリカ全土に棲むヤマアラシの仲間で、適応能力が非常に高く、森林、サバンナ、荒地や高山などにも棲んでおり、自慢の針はライオンやハイエナに襲われた時の強力な反撃手段になっています。
そのため意外と性格は好戦的で、捕食者にも積極的に針を使って攻撃を仕掛ける一面も持っています。
彼らの針はゴム長靴すら易々と貫通するほどで、威嚇用の背中の針と、攻撃用のお尻の針の2種類の針を使い分けています。
井の頭自然動物園、東武動物公園など、こちらも多くの動物園で飼育されています。
カナダヤマアラシ
木登りが得意(埼玉こども自然動物公園)
アメリカヤマアラシの仲間で、アフリカのヤマアラシとはだいぶ見た目が異なります。
それもそのはず、同じヤマアラシと名前が付いていても、アフリカのヤマアラシとは別の動物なのです。
アフリカ大陸のヤマアラシとアメリカ大陸のヤマアラシは同じげっ歯類ながら、全く違う二つの種が収斂によって「体毛を針にする」という同じ進化の道を歩んだ種なのです。
主に森林を住みかとし、木登りを得意としながらもネズミ目の持つ適応力から、様々な環境にも進出しています。
埼玉こども自然動物公園や名古屋の東山動植物園などで飼育されています。
グンディ
日本初公開のドイツから来た大使(埼玉こども動物自然公園)
可愛らしいネズミに見えますが、実はヤマアラシの仲間です。
生息地は北アフリカの砂漠で、ヨーロッパの動物園以外では殆ど目にする事が出来ないとても珍しいネズミです。
埼玉こども自然動物公園ではドイツのデュッセルドルフ水族動物園から譲りうけ、このたび日本初公開となりました。
こう見えて、肋骨を平たくして、岩の隙間に潜り込む特殊な能力を持っています。
ビーバー
親子で仲良く毛づくろい(東武動物公園)
ビーバーもまた、ネズミ目の一種です。
「自分の生活の為に周囲の環境を作り変える、人類以外の唯一の動物」それがビーバーです。
その通り自ら木を切り倒してダムを作り、川を塞き止めて自らの巣を作ってしまいます。
非常に柔らかで密度の濃い毛皮が帽子に使われ、一時期は非常に乱獲されました。
そのためヨーロッパやアメリカでは非常に人との関わりが深く、ドイツやロシア、カナダなど、欧州各国の紋章にはビーバーが描かれ、一部には地名の由来にもなっています。
東武動物公園、千葉市動物公園などで飼育されていますが、専ら昼間は寝て過ごすようです。
マーラ
すらりとした足にウサギのようなシルエット(井の頭自然文化園)
世界で一番大きいネズミはカピバラさんでした。
では、世界で二番目に大きいネズミはご存知でしょうか?
それはこのマーラです。
体長は70cmほどで、南米アルゼンチンの森林や藪に生息し、すらりとしたスマートな足を持っていて、ネズミと言うよりウサギやカンガルーを彷彿とさせる姿をしています。
埼玉こども動物自然公園や、井の頭自然文化園などで飼育されています。
コビトハツカネズミ
大きさはワンコイン(上野動物園)
世界最大のネズミが居れば、世界最小のネズミも居ます。
最小の方は意外に激戦区で、トウキョウトガリネズミやバルチスタンコミミトビネズミ等、幾種か候補が存在しますが、その中の一種が、このコビトハツカネズミです。
体長は約5cm、体重は約4gながら、危険を感じると30cm以上もジャンプする脚力の持ち主です。
上野動物園で見る事が出来ます。
デグー
小さく賢い人気者(上野動物園)
近年ペットとしても人気の高いのがこのデグーです。
ヤマアラシに近い仲間で、野生下では南米チリの山岳地帯に棲んでいます。
このサイズの哺乳類としては非常に賢く、好奇心旺盛で社会性もあって人間にも懐いてくれます。
芸を覚える事もでき、綺麗好きで運動能力も高いため、ヨーロッパでは以前からペットとして人気がありました。
上野動物園の小動物館などで見る事が出来ます。
ニホンリス
かつての日本の野山の象徴(井の頭自然文化園)
最後のネズミ目はニホンリスです。
日本の固有種ですが、絶滅が心配されており、九州や中国地方では殆ど絶滅したと考えられています。
井の頭自然文化園では「リスの小路」というリスの檻の中に人間が入れる施設があり、
人の足元や木々のあちこちを駆け回るリスを身近に観察する事が出来ます。
運がよければ、人の足元を駆け抜けていくリスの姿を見る事が出来るでしょう。
いかがでしたでしょうか。
ネズミ目3000種の中から、僅か12種だけ紹介しました。
少しはネズミを身近に感じていただけたでしょうか。
来年はネズミ年です。
干支の中のネズミは上手く牛を利用し、小ずるく立ち回って一番利益を手にしたちゃっかり者として描かれています。
ずるく他人を利用する必要はありませんが、機転とチャンスを物にする姿勢は見習いたいもの。
そしてまた、ネズミは子孫繁栄の象徴でもあります。
2020年は節目の年でもあり、そこにネズミ年が合わさるのはとても象徴的です。
皆さまにとっても、Agent-Growにとっても、繁栄の年になるよう
ネズミパワーで頑張って下さいでチュウ!