休日はライトなネタで書こうかなぁ……
Agent Grow Advent Calendar 2016の10日目の記事です。
今日は休日!
……ということで、ちょっとやんわりとしたネタで書いてみようかなと思います。
何書こうかな〜ってことでちょっと悩んでみたんですけども、普段プライベートでも会社ブログでも書かないようなネタを書いてみようと思いまっす!
中学生の頃の記憶
私の心の中に、ずっと残っている「詩」があります。
人生は、かけ算だ。どんなにチャンスがあっても、君が「ゼロ」なら、意味がない。
この詩の作者は、「326(ナカムラミツル)」さんです。
結構有名な詩なので、どこかで見かけたことがあるかもしれませんね。
私がこの詩に触れたのは、確か中学生の頃。中学校の英語の授業だったと記憶しています。いくつかある日本語の短文の中から好きなものを選び、それを英訳しましょう……という授業でした。
詩の解釈は人それぞれかと思いますが、なかなか深いというか本質を突いているというか、良い詩だなと思います。
誰もが抱くもの
話は変わりますが、「どんなスキルを身につけていこうか」という悩みを持っているエンジニアは多くいるかと思います。私自身、エンジニアになりたてだったあの時に、そんな悩みを抱えていたような気がします。
世間知らずの新人であるが故に、毎日毎日まわりについていくのもやっとの状態。人知れず枕を涙で濡らした日々も数知れず……。
自分の事で精一杯な日々に流されながら、ただ毎日が過ぎていったある日。ふと自分の将来に漠然とした不安を感じました。
このままでよいのか、と。
試行錯誤と、決断と
その時の私は、いわゆる「Web系」に興味を抱いていました。
まさにPerl全盛期!Webアプリケーションと言えばCGI!……というと、ちょっと語弊があるかもしれませんが、少なくとも私はそう捉えていたと記憶しています。
ただ、大変残念なことにPerlという言語自体にまったく興味が持てませんでした。何がダメというわけではないのですが、なんとなく肌に合わないなぁと感じていたのです。
そこで目にとまったのが、「PHP」という言語。
当時はPHP4.3系列だったかなと思いますが、とにかくこの言語を勉強してみたい!そう強く思えました。
そう決めてからの行動はとても早いものでした。
自宅のPCにLinuxをインストールし、PHPが動く環境を作り、最低限のアプリケーション1)phpinfo();を表示するだけの、「アプリケーション」と呼ぶのもおこがましいレベルのものですが実行できたあの瞬間は、私の人生の中で最も気分が高揚した瞬間だったといっても決して過言ではありません。
もっとも、これに至るまで多くの困難が待ち受けていたのですが……。それは、また別の機会に。
視野を広げれば
先の詩には「君が「ゼロ」なら、意味がない。」という一説があります。
もし、真に人生がかけ算であるならば、「ゼロに何をかけてもゼロ」ですからまったく無意味となります。2)反面、マイナスであっても大きな「プラス」に転じるチャンスがあるということですよね
では、どうすれば「ゼロ」の状態を脱することができるのでしょうか?どうすれば、効果的に「かけ算」ができるようになるでしょうか?
私なりの答えは、「視野を広げる」ということです。
ちょっと私自身の経験をお話ししましょう。
前述の通り、スタート地点は「PHPの学習」でした。しかし、得られる知識はそれ以外ではありませんでした3)最終的にはPHPよりもそっちの方に興味が移っていったのは内緒の話です。
例えば、ApacheとPHPの環境構築をおこなった際に、
- Linuxコマンドのアレコレ
- 起動スクリプトの仕組み
- パッケージ管理システム(RPM)のアレコレ
- ネットワーク(HTTP)の仕組み
- ログの概念や存在理由
- Webサーバの役割
といった部分も合わせて学習できました。
その後、MySQLの動作環境を構築する流れで、
- DBサーバの役割
- ACIDについて
- UNIXドメインソケットとTCPの違い
- ストレージエンジンの違いと特長
- SQLについて
といった知識が得られました。
得た知識を元に、自宅サーバを構築しインターネットに公開したりもしましたが、
- セキュリティについて
- ファイアウォールについて
- インターネットの構造について
- DNS/DHCP/NTP/SMTP/POP3/SSH/etc…について
- 侵入検知システムについて4)余談ですが、「侵入検知システム」について学んだことがきっかけで、「Snortユーザ会」というユーザグループに参加することができました。良い人たちにも巡り会え、そのご縁がきっかけでとあるネットメディアで記事の連載をするチャンスをいただけたりしたのも良い思い出です。
といった関連知識を学ぶ良い機会となりました。
こう見ると、最初の出発点であった「PHPの学習」からずいぶん異なる所にいるようです。
「PHPの学習」だけをしたときよりも、最終的なゴールにたどり着くまでに少しだけ時間はかかりました。しかし、「PHPの学習」だけをやっていたら得られることができなかったものを、ちょっとの時間を犠牲にすることで同時に手にすることができたのです。
結果的に、それまで「ゼロ」だった5)少なくともそう自分で思っていた私が、「アプリケーション × インフラ」というスキルの「かけ算」ができるようになっていたのです。
どちらもレベル的には大したものは持っていないのにもかかわらず、相対的な自分の価値は高まっていきました6)どちらか片方であればより優秀な人間は五万といましたが、どちらもある程度のレベルで分かる人間は(特に大企業等でなければ)あまり存在していなかったのです。
視野を広げると、世界は広がる。そして、自分の未来も広がる。
よく聞くフレーズではありますが、まさにその通りの体験ができたのです。
己が心眼に映ずるものは
意識的か無意識的かは別として、「無駄にならないか」とか「もっと良い方法があるのではないか」と躊躇し、立ち止まってしまっていませんか?
あるいは、その本質に触れる前に、「これは関係ない」とか「今はやるべきではない」と安易に考えていませんか?
もしかしたら、貴重ななにかを逃してしまっているかもしれません。
真に無駄なもの/ことなどなく、それを活かせるか否かしかない。それだけなのかもしれません。
注訳はこちら
↑1 | phpinfo();を表示するだけの、「アプリケーション」と呼ぶのもおこがましいレベルのものです |
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↑2 | 反面、マイナスであっても大きな「プラス」に転じるチャンスがあるということですよね |
↑3 | 最終的にはPHPよりもそっちの方に興味が移っていったのは内緒の話です |
↑4 | 余談ですが、「侵入検知システム」について学んだことがきっかけで、「Snortユーザ会」というユーザグループに参加することができました。良い人たちにも巡り会え、そのご縁がきっかけでとあるネットメディアで記事の連載をするチャンスをいただけたりしたのも良い思い出です。 |
↑5 | 少なくともそう自分で思っていた |
↑6 | どちらか片方であればより優秀な人間は五万といましたが、どちらもある程度のレベルで分かる人間は(特に大企業等でなければ)あまり存在していなかったのです |