ITエンジニアに必要なコミュニケーション能力とは?理由や高めるコツも紹介
ITエンジニアの仕事は、IT知識やプログラミングのスキルさえあれば、コミュニケーション能力が低くても働けると思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、ITエンジニアはコミュニケーションが欠かせない職業です。チーム内などで業務を円滑に進めるためのやりとりができるようなコミュニケーション能力が求められます。
そこで今回は、ITエンジニアにコミュニケーション能力が必要な理由について解説します。コミュニケーション能力を高めるために意識したい行動やコツについても紹介していますので、参考にしてください。
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ITエンジニアにコミュニケーション能力が必要な理由とは
ITエンジニアは、パソコンに向かい黙々と作業するイメージがあります。そのため、コミュニケーション能力はそれほど必要としないと考えている方は多いでしょう。しかし、ITエンジニアにとってコミュニケーション能力は重要です。
各システムやプログラムの開発はチームで行うので、プロジェクトを進めていくにはコミュニケーションが欠かせません。
例えば、チームで開発する際には、以下のプロセスでコミュニケーションが必要となります。
・スケジュールの設定
・チーム内の調整
・情報の共有や伝達
また、ITエンジニアはクライアントのニーズや要望に合わせてシステムやプログラムの開発を行います。そのため、チーム内での役割によっては、クライアントへのヒアリングや連絡をするなど、コミュニケーションが必要な場面も出てきます。
多くの場合、ビジネス上、支障のない基本的なコミュニケーションがとれればほとんど問題ありませんが、作業が停滞してしまわないよう、最低限のコミュニケーション能力を備えておくことは重要です。
ITエンジニアのコミュニケーション能力はどのような場面で求められる?
ITエンジニアのコミュニケーション能力は、どのような場面で求められるのでしょうか。ここでは、コミュニケーション能力が求められる具体的な場面について解説します。
チーム内の信頼関係を構築するとき
チーム内の信頼関係を構築するためにコミュニケーション能力は欠かせません。信頼関係が構築されていない場合、チーム内の情報伝達や打ち合わせに支障が出る可能性もあります。その結果、働きにくい職場環境に変わることもあるでしょう。
チームメンバーに信頼してもらうには、相手の考えを聞き、意図を理解した上で、自分の意見を伝えるようにしましょう。相手が何を求めているのかを考えながらコミュニケーションをとることが重要です。「自分のことを理解してくれている」と相手は感じ、信頼関係を深めることができます。
強い信頼関係が構築されると、チーム内での認識がそろいやすく全体の士気も高まるため、より質の高い成果物を提供できます。
クライアントの要望ヒアリング時
クライアントはなんらかの問題を抱えて、ITエンジニアにシステムやプログラムの開発を依頼します。問題の解決方法を検討し、提案するのがITエンジニアの仕事といってもいいでしょう。
そのため、相手の要望を正確に聞き取るヒアリング能力は、ITエンジニアが業務を進めていく上で欠かせません。ヒアリングは、相手とのコミュニケーションによってスムーズに行えるようになるため、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
ヒアリングをするときには、相手の話を傾聴し、話の内容だけでなく相手の表情やしぐさなども注意して確認しましょう。クライアントの求めているものを理解できれば、ニーズにより近いものを提供できてクライアントの満足度向上にもつながります。
プレゼンテーションで伝えるとき
プレゼンテーション(提案)は、クライアントへのヒアリングで聞き取った内容をもとに行います。また、メンバー内にプロジェクト方針を伝えるためにプレゼンテーションを行う場合もあるでしょう。
このプレゼンテーションにおいても、適切なコミュニケーション能力が求められます。プレゼンテーションは、自分の考えを相手に伝えることが目的です。自分の言いたいことが相手にしっかりと伝わるように話せるかどうかがカギになります。
特に、相手がIT知識をあまり持っていない場合、専門用語の多用や言葉足らずな説明であると誤解を招く可能性があります。そのため、相手から理解が得られるような話し方を心がけましょう。
クライアントと良好な関係を築くとき
クライアントとの関係は、仕事を受注して終わりではなく、その後も継続していくことが多いです。特にITエンジニアの仕事は、クライアントも巻き込んで一緒に進めていく必要があります。そのため、クライアントとの信頼関係を継続させなければいけません。
相手から信頼を得るためには、コミュニケーションの積み重ねが重要です。日頃からクライアントと積極的にコミュニケーションをとるように心がけるといいでしょう。
クライアントと良好な関係が維持できていると、新たな仕事につながる可能性も高まります。
ITエンジニアがコミュニケーション能力を高める3つのメリット
ITエンジニアがコミュニケーション能力を高めることには、3つのメリットがあります。ここでは、具体的な3つのメリットについて確認していきましょう。
業務をスムーズに進行できる
ITエンジニアの仕事は、プロジェクトごとにチームで作業を進めるのが一般的です。その際、定期的にチーム全体で進捗状況の確認、方向性や認識のすり合わせが必要になります。
そのため、コミュニケーション能力が高まると、チーム内でのやりとりがスムーズになって作業効率もよくなるため、業務もはかどるでしょう。
また、プロジェクトの内容によってはITエンジニア以外の職種の人や他部署と連携することもあります。その場合でも、コミュニケーション能力が高いと連携がとりやすくなるため、さらに業務効率が向上します。
より良いプログラミングのアイデアが生まれやすい
ITエンジニアの仕事は、クライアントが悩む問題を正確に読み取り、システムの開発や改善をすることです。高いコミュニケーション能力があれば、自身のさまざまな考えやアイデアをうまく周囲に伝えられます。
その結果、会議などでも活発な意見交換がなされるなどプロジェクトが活性化し、新しいアイデアが生まれやすくなるでしょう。多くのアイデアが出ることで、質の高いプログラムの提供につながり、クライアントの満足度向上も実現できます。
マネジメント職へのキャリアアップにつながる
ITエンジニアの実績を積んで、マネジメント職(管理職)へのキャリアアップを目指す方もいるでしょう。マネジメント職へキャリアアップすれば、システム開発の初期段階である企画立案から設計までの管理を担当でき、年収アップも見込めます。
マネジメント職では、チーム内の意見をまとめたり、積極的なリーダーシップを発揮したりするのも大切なスキルの一つです。また、クライアントとの日常的なやりとりをはじめ、交渉事を担当することもあるでしょう。
こうしたマネジメント職の業務には、コミュニケーション能力が不可欠です。能力を高めることで自身が担当できるポジションが増え、キャリアアップにつながります。
ITエンジニアがコミュニケーション能力を高めるために意識して行いたい行動4選
コミュニケーション能力を高めるために「具体的にどのようにすればいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ITエンジニアがコミュニケーション能力を高めるためにおすすめの、具体的な行動について解説します。
相手から好かれる挨拶をする
挨拶はビジネスマナーの基本であり、コミュニケーションのきっかけを作るためにも欠かせない行動の一つです。
例えば、オフィスで人とすれ違うときに「挨拶してくれる人」と「何も反応してくれない人」とでは、挨拶をしてくれるほうが、より良い印象を持たれやすいでしょう。自身の評価を高めたり、信頼を深めたりすることにもつながるので、意識して自分から挨拶をするのがおすすめです。
ただし、単純に声を出せばよいわけではなく、挨拶の仕方も重要です。「相手との距離感に合わせた声量」と「笑顔」を意識して挨拶しましょう。
対面やビデオ通話で話す機会を増やす
他のスタッフと顔を合わせる機会が多く作れる環境であれば、チャットやメールといった文章でのやりとりだけではなく、対面やビデオ通話で会話する機会を増やすのもおすすめです。
コミュニケーションは、相手の表情を読み取ったり、会話をしながら認識を深めたりすることも重要な要素の一つだからです。
また、多くの人と話してみることで、さまざまなタイプの人とのコミュニケーション方法が身につきます。場数を踏んで慣れると、相手のタイプ別に話し方を変化させて、スムーズなコミュニケーションがとれるようになるでしょう。
柔らかい表情を意識する
相手とコミュニケーションをとるときには、柔らかい表情を意識することが大切です。表情が硬いと、相手に威圧感や余計な警戒感を与え、話しかけづらいという印象を持たせてしまいます。
自分の表情は自分では見えないため、オフィスのトイレや自宅の洗面所など鏡のある場所、手鏡などで定期的に表情をチェックしてみるといいでしょう。もし柔らかい表情が作りづらい方は、話すときに、まず口角を上げるところから始めるのもおすすめです。
質問や復唱ができるように会話の内容を理解する
コミュニケーション能力を高めるためには、会話の内容を理解し、相手の話した内容に対して質問や復唱をすることが重要です。話した内容をしっかり理解していることが相手に伝わると、相手の話をさらに引き出せるようになります。
そのため、まずは相手が話す内容をしっかり聞き取ることから始めてみましょう。相手の話に集中してしっかり聞き取れるようになれば、自然と相手が伝えたいことをスムーズに理解できるようになります。
エンジニアがコミュニケーション能力を高めるためのコツ
エンジニアがコミュニケーション能力を高めるためには、さらに押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、コミュニケーション能力を高めて、相手と円滑に会話をするための会話術について解説します。
コミュニケーションをとるためのきっかけを作る
相手とコミュニケーションをとるためには、まずはきっかけを作ることが大切です。
人とのコミュニケーションは、なんらかのきっかけがなければ生まれません。逆に言えば、きっかけさえつかめれば多くの場合、コミュニケーションは流れるように始まります。
まずは、話しかけやすい開発チームのメンバーや同僚など、近い関係の人に対して積極的に話しかけてみましょう。休憩時間や移動時間などに、相手の興味がありそうな世間話から始めてみるのがおすすめです。
できれば自分から話しかけるのがベストです。どうしても難しい場合は、話しかけやすい雰囲気を普段から作っておきましょう。
相手に関心を持つ
人とのコミュニケーションを円滑にするには、相手に興味や関心を持つことが大切です。相手に関心を持つことで、自然と話したいことや聞きたいことが増えやすくなります。
また、相手も自分に興味や関心を持ってくれていることが分かると、さらに話したいという気持ちが高まります。相手の話をより引き出せるので、会話も弾みやすくなるでしょう。
会話が増えると信頼関係が築け、相手からの好感度も向上します。どうしても相手に興味が持てない場合は、ITエンジニアとしての共通点や違い、お互いに役立つ点を見つけることから始めましょう。
聞き上手になる
コミュニケーションは、こちらから話題を提供し続けるだけでは成り立ちません。実は、コミュニケーションは自身が話すことよりも、相手の話を聞くことのほうが大切です。
人と会話をする際には「話題をどれだけ提供できるか」という点だけで、コミュニケーション上手かどうかを判断しがちです。
しかし、自分の話をいくらしても、相手が興味を持ってくれるかどうかは分かりません。相手にとって興味のない話ばかりであれば、コミュニケーションは一方通行になり、信頼どころか好感度も下がってしまう恐れがあります。
話題の提供はコミュニケーションのきっかけに過ぎません。相手の気持ちや反応を大切にして、相手に寄り添いながら、相手の話や反応にもしっかりと耳を傾けるように心がけましょう。相手の話をじっくりと聞くことを意識すれば、円滑にコミュニケーションがとれて信頼も得やすくなるでしょう。
否定から入らない
相手の話や意見に対して「でも…」「いやそれは…」「しかし…」など、否定から入らないようにしましょう。
せっかく会話に出た話や意見に対して、いきなり否定の意見で返してしまうと、そこから話が進まず建設的な会話に発展しづらくなります。特に、信頼関係があまり築けていない相手との場合、その後の関係性が悪化する可能性もあります。
もし、相手の話や意見に対して反論があるときでも、「そういう見方もできるのか」「一理あるかも」と、相手の意見を一度受け止めてから、自分の意見を返すのがおすすめです。
一度肯定的に受け取ってもらえることで、相手は「自分の話を理解してもらえた」と少なからず感じます。そのため、後で否定的な意見を言われても受け入れやすくなるでしょう。
円滑なコミュニケーションを意識して業務に取り組もう!
ITエンジニアの仕事は、クライアントや上司、同僚とのコミュニケーションが欠かせません。プロジェクトチーム内での進捗のすり合わせ、情報共有、ヒアリングや提案など、さまざまな場面でコミュニケーションが求められます。
コミュニケーションをとるのが苦手だと感じている方は、今回解説したコミュニケーションを高めるコツを参考に、できることから始めてみてください。
参考:コミュニケーション能力とは?高い人のスキルと鍛える方法がわかる!|HRドクター
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