SES面談で好印象を与える逆質問6選|したほうが良い理由やポイントを解説
SES面談とは、プロジェクトの参画前に行われる「顔合わせ」や「紹介」と呼ばれるものです。このSES面談では「逆質問」の時間が設けられることがあります。しかし、これからお世話になるクライアントとの初顔合わせで緊張して、質問したいことを伝えられないと感じる方もいるかもしれません。
そこで今回は、SES面談における逆質問の例と、逆質問をする際のポイントについて解説します。逆質問で好印象を残したい方や逆質問によってクライアントとの相性を確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX
SES面談とは?
SES面談とは、SESエンジニアがプロジェクトに加わる前にクライアントと行う「顔合わせ」のことです。SES面談ではクライアントとエンジニアのミスマッチが起こらないよう、事前にお互いを知ることを目的としています。
一般的なSES面談の内容としては、クライアントからエンジニアにプロジェクト内容を説明したり、エンジニアがクライアントに自身の技術力や知識、コミュニケーション能力、ビジネススキルなどを紹介したりするのが通常です。それにより、プロジェクト成功に向けて両者の認識などを擦り合わせ、ミスマッチを防ぎます。
また、SESエンジニアは、客先常駐で仕事をするのが一般的です。したがって、エンジニアとしての技術力だけではなく、クライアントとなる企業のメンバーと円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力や、「報連相」といったビジネススキルも求められます。
SES面談は、あくまで顔合わせ的な意味合いのものです。そのため、プロジェクトの概要については、事前にSES企業の担当者に確認しておきましょう。
SES面談で逆質問をするべき理由とは?
SES面談では、クライアントから「何か質問はありませんか?」と逆質問をされることがあります。クライアントとしても、現場で気持ち良く働いてもらうために、エンジニアの志向や希望は事前に確認しておきたいものです。
加えて、逆質問は、クライアントに自分の熱意などをアピールする絶好の機会にもなります。「特にありません」といった返答は、クライアントによっては熱意が感じられないと捉えられ、マイナスイメージを持たれる可能性もあるので避けましょう。
そのほかにも逆質問をすべき理由はいくつかあり、具体的には以下の通りです。
・企業との相性がわかる
・労働環境が把握できる
・熱意を伝えられる
それぞれの理由について解説します。
企業との相性がわかる
逆質問をすることで、クライアントや案件との相性を見極められます。具体的には、以下のような逆質問が相性確認をする上で効果的です。
【逆質問の例】
「エンジニアのアサイン時に、重視している人柄はどのようなものですか?」
「企業の雰囲気について教えてください」
クライアントの求めている人材像や業務内容が自分の望んでいるものかがわかれば、案件との相性を判断しやすくなります。また、精神的な準備をしっかり整えた上で案件に臨むことで、余裕をもって新しい環境で働けるでしょう。
「こんな案件とわかっていれば断ったのに…」「こんなはずじゃなかったのに…」と後から後悔するリスクを防ぐために、逆質問で事前に相性をチェックしておきましょう。
労働環境が把握できる
客先常駐で働くSESエンジニアにとって、クライアントの労働環境は案件を選ぶ上での重要事項です。以下のような逆質問で、クライアントの労働環境を知りましょう。
【逆質問の例】
「(リモートワークの場合)どの程度の頻度で会議や進捗確認を行いますか?」
「ほかの従業員の方は、毎日何時くらいまで仕事をされていますか?」
労働環境が自身に適しているかを確認したい場合は、業務内容や自分の得意分野を活かせるかといった点の確認をおすすめします。使用するプログラミング言語やツールなどについて聞いてみるのも効果的です。
労働環境をしっかりとイメージできるようにしておくと、働き始めてからのミスマッチが起こりにくいでしょう。
熱意を伝えられる
企業や現場の方から好印象を持たれ、スムーズに業務に移りやすくするためには、以下のような逆質問が効果的です。
【逆質問の例】
「ご縁をいただけた場合、勉強しておいたほうが良いことがあれば教えてください」
「先ほどお伝えした技術や経験などで、不足していると思われた部分があれば教えてください」
「アサインされるプロジェクトの課題や目標を教えてください」
プロジェクトへの関心の高さや貢献したいという意欲がわかるような質問が望ましいでしょう。ただし、逆質問をする際には、自分で調べればわかるような質問は控えて、SES企業の担当者に後日質問することをおすすめします。
SES面談でおすすめの逆質問6選
ここからは、SES面談に備えて用意しておくと良い、以下のようなおすすめの逆質問をご紹介します。
・案件参画が決定したら事前に資料などを確認できますか?
・私は○○という資格(スキル)を持っていますがプロジェクトで活用できますか?
・今回の案件はどのようなチーム体制で進めていますか?
・私の現状のスキルで不足していると感じる部分はありますか?
・セキュリティ管理で注意しておいたほうが良い部分はありますか?
・会社周辺のおすすめのごはん屋さんを教えてもらえますか?
それぞれの質問について、どのようなことをアピールできるか詳しく解説します。
案件参画が決定したら事前に資料などを確認できますか?
この逆質問では、「すぐにプロジェクトで活躍し、貢献したい」という熱意をアピールすることが可能です。自発的な貢献意欲が高い人材は、仕事に前向きに取り組んでくれるため重宝されます。
また、資料などの確認がスムーズに業務へ取り掛かるために重要だという認識も伝わるため、SESエンジニアとしての経験を積んでいることや、段取りの良さもアピールできます。
私は○○という資格(スキル)を持っていますがプロジェクトで活用できますか?
この逆質問は、面談での質問で紹介できなかったスキルをアピールできます。加えて、クライアント企業が自分のスキルが活かせる労働環境であるかどうかも確認できます。
使用するプログラミング言語に対応するライブラリやIDEのスキルを伝えることで、現場で使用しているツールの確認にも会話がつながるためおすすめです。
ただし、この質問をする際は案件と関係のある可能性が高いスキルを絡めるようにしましょう。的外れなスキルをアピールしてしまうと、案件内容を確認していないと思われてしまう可能性があります。
また、どの程度のスキルを所持しているかを説明する際には、具体的なエピソードを交えて話すと、相手がイメージがしやすく、話の内容が伝わりやすいでしょう。
今回の案件はどのようなチーム体制で進めていますか?
この逆質問は、働き方のミスマッチを防ぐための質問です。アサインされるプロジェクトは個人による仕事なのか、チームによる仕事なのかが確認できます。プロジェクトに携わるスタッフの人数や役割を聞き、プロジェクトの規模がどの程度か把握することも可能でしょう。
ただし、クライアント企業にとってはプロジェクトに参画するまで詳しく話せないケースもあります。いきなり詳細について尋ねるのではなく、SES企業の担当者に事前に確認しておくか、会話の流れを見て質問していきましょう。
私の現状のスキルで不足していると感じる部分はありますか?
この逆質問では、向上心や熱意を伝えられます。SES面談に限らず、仕事において取引先に対し、ぶしつけに改善を求めると軋轢を生じさせる可能性があります。そのため、クライアント企業においても、エンジニアに対する改善点をストレートに伝えることには意外に慎重になるものです。
しかし、エンジニア側から「改善点を教えてほしい」と伝えることで、「気になる点があれば共有して大丈夫な人」といった印象をつけられます。
したがって、この質問ではエンジニアに熱意を伝えるだけではなく、今後良好なコミュニケーションを築きたいという意思表示も行えます。
セキュリティ管理で注意しておいたほうが良い部分はありますか?
この逆質問では、コンプライアンス(法令遵守)意識の高さをアピールできます。コンプライアンス違反は、法的責任を負ったり企業のイメージダウンが起きたり、顧客離れが起こったりと、さまざまな問題に発展します。
コンプライアンス違反は企業の情報セキュリティと大きな関係があるため、セキュリティに対する意識の高さを通じてコンプライアンスへの意識の高さをアピールしましょう。
会社周辺のおすすめのごはん屋さんを教えてもらえますか?
ユーモアを含んだこの逆質問は、クライアントの印象に残りやすくなります。また、クライアントのオフィスで働くことを現実的に考えていることを示せます。
場の雰囲気が和やかになったときに、このようなユーモアのある逆質問をしましょう。場があたたまっていれば相手が話を受け入れやすくなるため、逆質問から話が盛り上がりやすいでしょう。
しかし、場が張りつめた雰囲気のときは、相手がユーモアを受け入れにくい状況です。ユーモアを交えた逆質問は場が盛り下がって逆に悪印象となることもあるため、注意が必要です。
SES面談で逆質問する際のポイント
逆質問をする際には、以下のポイントに気をつけましょう。
・相手にとってプラスになる質問をする
・学習意欲を過剰に伝えない
・調べてわかることは質問しない
それぞれのポイントについて解説します。
相手にとってプラスになる質問をする
逆質問は自由度が高く、聞きたいことを質問できますが、基本的には相手にとってプラスになる質問をするのがおすすめです。
SES面談は、クライアントとSESエンジニアとの間でミスマッチが起こらないようにお互いのことを知るのが目的です。そのため、クライアントは面談において、エンジニアがどのような技術や知識、経験、コミュニケーション能力などを持ち、それをどう業務に活かせるかを知りたいと考えています。
このような要望に応えるためにも、クライアントが知りたい情報を伝えられるような逆質問をしましょう。また、相手に「主体性がない」「受け身だ」というようなマイナスイメージを抱かせるような質問は避けることをおすすめします。
残業や休日出勤の有無といった自分の待遇に関する不安を解消するための質問は、クライアント側にメリットが少ない質問であるため、間接的な聞き方をするなどの工夫が必要です。
学習意欲を過剰に伝えない
熱意を伝えることは大切ですが、学習意欲を前に出しすぎるのはあまりおすすめしません。仕事は学びを得られる場ではありますが、仕事は学校ではないので学びよりもプロジェクトへの貢献が重要です。
学習意欲の高さを前面に押し出しすぎると「新しい技術を学ぶことを優先している」「未経験の業界について自身の見識を広げることを重要視している」と思われかねません。
学習意欲を持つのは大切なことです。しかし、SES面談では、学習意欲よりもプロジェクトに活かせる技術や知識をまずはアピールしましょう。クライアントに「このエンジニアならプロジェクトで活躍できそうだ」と思ってもらえることのほうが重要です。
調べてわかることは質問しない
調べればすぐにわかることを質問するのは、下調べが足りていないことが露呈するため、評価を落とす逆質問となってしまいます。また、調べてすぐわかる質問をしてしまうと、相手の時間を気にしていないと判断されてしまうため、ビジネスパーソンとしてのマナーに欠けているとも判断されかねません。
したがって、クライアント企業の会社概要や事業内容、基本的なビジネスマナーに関する質問などを逆質問するのは避けましょう。クライアントのホームページで公開されている情報などを事前に調べた上で、面談に臨むことをおすすめします。
SES面談で好印象を持たれやすいエンジニアの特徴3選
SES面談で好印象を持たれるエンジニアには、いくつか共通した特徴があります。ここでは、代表的な特徴を3つ紹介します。
・話が簡潔で要点を押さえている
・質問に対して前向きな回答をしている
・身だしなみを整えている
それぞれの特徴について解説します。
話が簡潔で要点を押さえている
クライアントに好印象を抱かれる人に共通する特徴として「相手ファーストの話し方」をする点があげられます。SES面談における相手ファーストの話し方とは、クライアントの質問意図に沿って、簡潔に要点を押さえた回答ができることです。
こちら側から伝えたい内容が多かったとしても、簡潔に話すことを心がけましょう。クライアントの質問に対する回答は、長くても1分程度がおすすめです。
クライアントは、回答の内容に対して興味があったり補足の説明が必要だと感じたりすれば、追加の質問をしてくれます。そのため、質問には端的に回答し、相手の反応を待ち、必要に応じて内容を補足すると要点を押さえた会話になりやすいです。
また、結論を先に話すことも意識し、結論を伝えた後にエピソードを添えるなどして可能な限り具体的な内容にしましょう。
質問に対して前向きな回答をしている
前向きな姿勢というのは、業種に関係なく社会人として必要不可欠です。クライアントの質問に対しては前向きな回答をし、前向きな姿勢をアピールしましょう。
SESエンジニアとして働いていると、慣れない環境でさまざまな業務に取り組むことになります。そのようなストレスがかかる場面でも、前向きに仕事に取り組めるかどうかは、SESエンジニアとして重要視される資質です。
前向きな姿勢の人であれば「ストレスにさらされてもプロジェクトを完遂できる可能性が高そう」と肯定的な評価をしてもらえます。
身だしなみを整えている
清潔感のある身だしなみはビジネスマナーの基本です。相手に不快感を与える格好をしていれば、エンジニアとしての技術が十分でも、クライアントは不安を覚えてしまいかねません。
ビジネスマナーといっても、高価なスーツを買ったり、ボディメイクに費用をかけたりする必要はありません。主に以下の点に注意して身だしなみを整えましょう。
【清潔感】
・スーツやシャツなどに目立つシワがないか。清潔な状態か
・頭髪が清潔な状態か
・体臭や汗に問題ないか
・香水などの香りが強すぎないか
・衣類などにフケやホコリが付着していないか
・ヒゲや爪が伸びていないか
【TPO】
・髪型や髪色に問題はないか
・服装に指定があればそれに合わせた格好か
・ビジネスシーンに合った服装をしているか
身だしなみは、心がけ次第で整えられる部分です。クライアントに失礼のない身だしなみで面談に臨みましょう。
SES面談に臨むときは逆質問の準備をしておこう
SES面談は、クライアントとSESエンジニアのミスマッチを防ぐために避けては通れないものです。しかし、エンジニア側から企業との相性を見極めたり、労働環境を確認したり、熱意を伝えられたりできる良い機会でもあります。
また、逆質問は何を質問するか事前に考えておくことで、当日悩むことなく自然に質問ができます。クライアントに好印象を持ってもらえるような、簡潔でわかりやすい内容の質問を準備しておきましょう。
参考:内定間違いなし!面接での第一印象をよくする秘訣を伝授します | 就活サポートサービスのキャリチャン
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