SES営業とは?主な業務内容やスキル、将来性を解説
SES営業は、エンジニアの労働力を提供するサービスに関連した営業活動を担当し、常駐先企業の開拓やエンジニアの紹介、フォローアップなどを行います。
最近では、SESで働くことを選ぶエンジニアが増え、SESエンジニアを求める企業も増加しています。そのため、SES営業はますます重要性が高まっているといえるでしょう。
そこで今回は、SES営業の業務内容や必要なスキル、年収の相場、将来性などについて解説します。
INDEX
SES営業とは?
SES営業とは、「System Engineering Service」の提供を担当する営業活動を指します。SESは、企業のIT関連の課題解決に貢献するために、ITエンジニアの労働力を企業に提供するサービスです。
SESでは、自社エンジニア、他社エンジニア、そしてフリーランスエンジニアという3つのエンジニアを状況に合わせて提供します。自社エンジニアは、SES企業が雇用しているエンジニアであり、他社エンジニアは他社のSES企業が雇用しているエンジニア、そしてフリーランスエンジニアは個人で活動しているエンジニアのことです。
SES営業は、これらのエンジニアの労働力を必要とする企業に対して、エンジニアを紹介し、提供する役割を果たします。そのために、各エンジニアのスキルや経歴、特性を詳しく把握し、クライアントのニーズに合わせた最適なエンジニアを提案することが求められるポジションです。
SES営業が提案するエンジニアの種類
先述したように、SESでは、以下の3種のエンジニアを提供しており、SES営業はこれらのエンジニアを営業先に提案します。
・自社エンジニア
・他社エンジニア
・フリーランスエンジニア
それぞれ解説します。
自社エンジニア
自社エンジニアとは、SES企業が雇用しているエンジニアのことです。彼らはSES企業に所属するエンジニアとして雇用されていますが、実際にはSES企業内で働くことはありません。代わりに、クライアント企業に常駐し、そこで業務をします。この形態は「客先常駐」と呼ばれています。
一般的に、SES営業は自社エンジニアの紹介に力を入れています。
他社エンジニア
他社エンジニアとは、他のSES企業が雇用しているエンジニアのことを指します。通常、SES営業は自社エンジニアをクライアントへ提案しますが、時には自社エンジニアが不足していたり、クライアントが求める特定のスキルを持つ人材が自社にいなかったりする場合があります。そのような場合に、他社エンジニアを派遣することもあるのです。
SES営業は、必要に応じて他社のネットワークも活用し、他社の人材をクライアントに提供できるようにしています。このようなネットワーク構築もSES営業にとって重要な役割となります。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアとは、個人事業主として活動するエンジニアのことを指します。フリーランスエンジニアには、企業内でエンジニアが不足している状況や、特定の専門的な技術が必要な場合に依頼することがあります。
とくに、特殊な技術や専門知識を持つフリーランスエンジニアは需要が高いため、SES企業からも重宝されているのです。SES営業は、これらのエンジニアを状況に応じて適切にクライアントに提案することが重要な役割となっています。
SES営業の主な業務内容
SES営業は、主に以下の業務を行います。
・クライアントへのヒアリング
・エンジニアの確保と紹介
・エンジニアのフォロー
それぞれの業務内容は以下のとおりです。
クライアントへのヒアリング
クライアントが求めるIT人材について、詳細なヒアリングを行います。企業や案件ごとに求められるエンジニアのニーズは異なるため、注意深くヒアリングを行い、その特徴を理解することが重要です。
ヒアリングの内容には、開発やプロジェクトの詳細、開発期間の目安、必要なIT人材の人数、求められるスキルや能力などが含まれます。
また、仕事環境はエンジニアの作業効率に大きな影響を与えます。そのため、クライアントの職場環境についても詳細にヒアリングしておくことが重要です。
十分なヒアリングを行い、クライアントが必要とするエンジニアを適切に提供できれば、SES企業の評価や営業としての評判も高まるでしょう。
エンジニアの確保とアサイン
クライアントからヒアリングを行った後、クライアントが求める人材が自社のエンジニアまたはフリーランスエンジニアにいるか、もしくは他社エンジニアにいるかを確認します。
その中から適切なエンジニアを選定したら、エンジニアのアサインに進みます。プロジェクトへの参画前にエンジニアに対して案件の説明を行い、マッチングすれば役務の提供を開始します。
エンジニアのフォロー
エンジニアのフォローアップも営業の重要な業務です。エンジニアとコミュニケーションを密に取り、現在の職場環境や将来のキャリア展望について相談に乗りながら、サポートしていくことが求められます。
案件の契約数が増えるにつれて、フォローアップが必要なエンジニアの数も増えますので、適切にフォローすることが重要です。後々トラブルが起こる可能性を避けるためにも、フォローアップを後回しにせず、きちんと行っていきましょう。
たとえば、エンジニアが希望した条件に満たない年収や単価、または予想以上の高度なプログラミングスキルが求められるなどの相談があるかもしれません。こうした不満や不平が溜まってしまうと、エンジニアのモチベーションが低下し、退職につながる可能性もあります。
貴重なエンジニア人材の流出を最小限に抑えるためにも、とくに自社エンジニアの個別の特徴やキャリア志向について詳しく把握しておくことが重要です。
SES営業に必要なスキルとは?
SES営業には以下のようなスキルが必要となります。
・情報収集の能力
・学習する力
・コミュニケーション能力
それぞれどのようなスキルか確認しましょう。
情報収集の能力
SES営業に必要なスキルとして、情報収集能力が挙げられます。IT業界は頻繁にトレンドが変わるため、常に最新の情報を収集・把握しなければいけません。
新しい技術や求められる人材の傾向について理解していることは、クライアントに適切な提案をするために重要です。
さまざまな情報源から情報を収集することで、急な案件にも柔軟に対応できるでしょう。たとえば、IT系のニュースサイトを定期的にチェックするなどして、常に最新の情報をキャッチアップすることがおすすめです。
学習する力
SES営業には、継続的な学習力も必要です。
SES営業は一般的に未経験でも就業可能ですが、エンジニアから転職したSES営業と比較すると、知識面で不利になることがあります。そのため、仮にIT業界での経験がない場合は、基本的なプログラミングの知識や概念を学んでおくことが重要です。
専門用語や知識を学ぶことで、クライアントのヒアリングもスムーズに進められます。
コミュニケーション能力
SES営業は、クライアントや自社エンジニアだけでなく、他のSES企業やフリーランスエンジニアとも信頼関係を築く必要があります。そのため、ヒアリング力や交渉力だけでなく、総合的なコミュニケーション能力が求められます。
具体的には、常に人脈を広げる意識を持ちながら、相手との信頼関係を築くために積極的にコミュニケーションを取る必要があります。また、相手の要求やニーズを正確にヒアリングし、適切な提案や解決策を提供するためにも、優れたコミュニケーション能力が必要といえるでしょう。
つまり、SES営業は単に情報を伝えるだけでなく、相手との良好な関係を築きながらコミュニケーションを進める必要があります。そのためには、明確な表現力や聴取力、相手の意見やフィードバックを受け入れる柔軟性も重要な要素です。結果として、SES営業は幅広い人と関わりながら、効果的なコミュニケーションを通じてビジネスの成果を上げることが求められます。
SES営業の年収はどのくらい?
DODAがまとめた「2022年の職種別平均年収データ」によれば、営業系全体の平均年収は439万円であり、IT/通信系の営業職だけを見ると449万円になります。このデータからわかるように、SES営業の平均年収は他の営業職と比べてやや高水準といえるでしょう。
年代別に見ると、20代の平均年収は356万円ですが、40代の平均年収は731万円となります。SES営業を含むIT/通信系の営業職では、経験を積むことで高い年収を得られる可能性があります。
ただし、ここで紹介したデータはSES営業に限定したものではないため、あくまで参考程度としてお考えください。
SES営業の将来性は高い!その理由とは
SES営業は、以下のような理由から将来性は高いとされています。
・デジタルトランスフォーメーションが加速しているため
・エンジニアが不足しているため
それぞれの理由を解説します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しているため
DX(デジタルトランスフォーメーション)の急速な進展により、企業は国内外を問わずDXを推進し、効率性や競争力の向上を図るためにさまざまな取り組みを行っています。
とくに、AI(人工知能)、IoT(モノをインターネットと接続する技術)、ビッグデータ解析・活用の分野の技術進化はめざましく、今後も最先端のIT技術を活用したサービスやビジネスモデルが創出されると見込まれます。
このような状況の中、各種システム開発やITサービス提供を担うITエンジニアへの需要がますます高まっています。そのため、さまざまな案件とITエンジニアを的確にマッチングできるSES営業に対する需要も高まる可能性があるでしょう。
エンジニアが不足しているため
現在、国内の多くの企業はエンジニア不足に苦しんでいます。そのため、求められるスキルを持ったエンジニアを見つけることはますます難しくなっているのが現状です。経済産業省によれば、2030年には40万~最大80万人のIT人材が不足すると推計されています。
また、IT技術やスマートフォンの普及により、対応プログラミング言語が増えるとともに、特定の分野やスキルに特化した技術も必要になりました。そのため、クライアント企業のニーズにかなう理想的な人材を見つけるためには、それ相応の時間やノウハウが必要となります。
このような背景から、企業が自社のリソースだけでは対応できないプロジェクトに、スキルを備えたエンジニアを柔軟に提供できるSESの市場は、今後も拡大すると予測されます。それに伴い、SES営業の需要も高まることが期待されるでしょう。
「Fairgrit®」ならSES営業の業務を総合的にサポートできる
SES営業業務の最適化を図りたい場合、SES管理ツール「Fairgrit®」の導入がおすすめです。
Fairgrit®を導入することで、営業セクションが必要とする情報をリアルタイムで収集し、可視化できます。
たとえば、各エンジニアの情報や営業の進捗状況など、必要な情報をひとつのツールで簡単に一元管理することが可能です。営業活動に必要な情報が集約されるため、営業活動の効率化にもつながります。
また、案件の情報を自動的に取り込むことも可能で、エンジニアへの案件提案もワンクリックで完結できます。エンジニアへ電話やメールで個別確認する手間も不要です。
このほかにも、Fairgrit®にはSES営業の各種業務に役立つさまざまな機能が搭載されていて、大幅な業務効率化を図ることができます。SES管理ツールの導入を検討する際には、営業担当者が本来の営業業務に集中できるFairgrit®の導入をぜひご検討ください。
SES営業の特徴を知ってキャリアプランを考えよう
SES営業はSES企業において不可欠な存在であり、営業先の開拓だけでなく、エンジニアのサポートやフォローアップも行う重要な役割を果たしています。コミュニケーション能力はもちろんのこと、IT業界の最新トレンドをいち早く把握するための情報収集能力も求められるでしょう。
また、IT分野は、社会的にますます需要が高まると見込まれています。今回解説したような、クライアント企業とITエンジニアのかけ橋となるSES営業の特徴を理解し、SES営業として活躍するキャリアプランを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
参考:新入社員研修のおすすめ研修会社 – 新入社員研修を探すならKeySession
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