SESは離職率が高いと言われる理由は?ホワイト企業の見分け方を解説

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SESは離職率が高いと言われる理由は?ホワイト企業の見分け方を解説

SESについて調べていると、「SESは他の業態よりも離職率が高い」という内容を見かけます。

そこでこの記事では、SESの基本的な情報やSESの離職率が高い理由、離職率の高い企業の特徴を紹介します。さらにSESエンジニアのメンタルケアに活かせるツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

そもそもSESとは?

SESとはITエンジニアの働き方のひとつです。正式にはシステムエンジニアリングサービスと呼ばれ、クライアントにエンジニアの「労働」を提供する準委任契約を指します。契約形態としては、派遣契約と似ており、基本的にクライアントのもとでエンジニアが業務を行います。

ただし、提供する人材は基本的にSESを行う企業に雇われた正社員であるため、派遣社員と違い待機期間でも報酬は支払われる点が大きな違いです。また、準委任契約ではクライアントに指揮命令権はなく、労働を提供するエンジニアが在籍する会社の責任者の指示で作業を行います。

したがって、原則としてはクライアント企業へは複数人のSESのエンジニアが派遣されます。

SESの離職率はどれくらい?

離職率が高いと言われているSESですが、公的機関から具体的なデータは出されていないため、詳細な離職率は発表されていませんが、会社四季報のデータから10~30%で推移している企業が多いです。

企業の規模にもよりますが、中企業以上であれば年間5~10人は離職している傾向にあります。また、離職率は中小企業やベンチャー企業の方が高い傾向にあり、これは社員の研修体制や福利厚生が充実していないことがひとつの要因と考えられるでしょう。

SESの特徴のひとつが「客先に常駐する」という働き方です。つまり正社員として入社したにもかかわらず、自分の会社で仕事をする機会があまりありません。報告のために1カ月に1回、自社に戻るといった契約も場合によってはありますが、業務が立て込んでいると1カ月に1回の帰社もままならないことがあります。

さらに、基本的にSESは少数でクライアント企業へ派遣されるため、派遣先でのサポートが満足ではない点も離職率が高い理由と考えられます。

SESの離職率が高いといわれている5つの理由

ここからはSESエンジニアの離職率が高いといわれる以下の5つの理由を、詳しくみていきます。

・給与が上がりにくい傾向にある

・プロジェクト終了後に空白期間が発生することがある

・自分のやりたい業務ができないことがある

・環境変化がストレスになることがる

・常駐先が指示を出すケースがある

それぞれの理由がなぜ離職率の高さにつながるか確認していきましょう。

給与/評価体系によっては給与が上がりにくい傾向にある

企業によっては給料が上がりにくい給与/評価体系となっている場合があり、これがSESの離職率の高さにつながっているといえるでしょう。給料があがりにくい理由は、 SES の働き方や契約形態に原因があります。

SESは労働力を提供する働き方のため、高品質な成果物を納品しても給料に反映されにくいです。また、社内で働くわけではないため、自身の成果を上司が評価しにくく、成果が給料や昇給の査定に影響をあたえにくい点もあげられます。

さらに、給与/評価体系によっては契約内容や派遣先の企業によって給料が変動するため、自身の能力以外も給料に影響してきます。このため、給与を上げることを目的にして、受託開発や自社開発企業への転職をする方が多いです。

プロジェクト終了後に待機期間が発生することがある

SESエンジニアはプロジェクトごとにクライアント先に出向く働き方であるため、次に参画するプロジェクトが決まっていなければ、自社でしばらく待機する「空白期間」が発生してしまうでしょう。

派遣社員と異なり、基本的には正社員として契約しているため、待機期間も給料は発生します。しかし、待機期間は業務が行えないので、経歴上のブランクが生じることとなり、SESエンジニアとして働くモチベーションを下げる要因になってしまいます。

また、1週間程度の待機なら「良いリフレッシュ」に捉えられるかもしれませんが、待機が長くなると「仕事がなくなった」と焦りを感じる人もいるでしょう。このため、待機期間が長期化すると、退職して他の職場を探そうとする方が増えやすいのです。

自分のやりたい業務ができないことがある

SESエンジニアとして働くときは、指定されたクライアントのもとで業務を行わなければなりません。そのためクライアント先で従事する仕事が、自分のやりたいことと一致しないことがあります。

特に自分で案件を選べない(=案件選択制度が導入されていない/限定的な導入になっている)場合に起こりやすいといえます。

「やりたい仕事をやるために会社に入社したはずが、思うようにいかない」というフラストレーションを抱える人もいます。もちろん、事前にアンケートや調査を行い、社員の希望を受け付けてくれる会社もありますが、社員全員の希望を100%叶えられる会社はほぼありません。

自分のやりたいことと従事しているプロジェクトで、できることが一致しないケースが積み重なると、SESエンジニアとして働くモチベーションは下がり、離職につながりやすいです。

環境変化がストレスになることがる

SESエンジニアは、基本的にクライアント先で仕事に従事します。そのため、プロジェクトごとに仕事をする環境が変わるのです。出勤が求められる場合は、通勤ルートや通勤時間も大きく変化します。

また、これまで安い社食で昼食をとっていたのに、会社を出て10分ほど歩いてより高い外食をしなければならないなど、休憩関係の環境もかわってしまいます。

このため、通勤ルートや通勤時間、仕事の環境が変わるSESエンジニアは、環境変化のストレスを受けやすいです。安定した環境で働きたい人にとってたびたび仕事の環境が変わるSESエンジニアの働き方は、人によって離職の原因となります。

離職率が高いSES企業の特徴とは?

ここからは 離職率が高いSES企業の特徴をみていきます。これからITエンジニアとして仕事をすることを考えている方は、離職率が高いSES企業の特徴を理解し、就職先を決める指標にしてください。

給与が低い

離職率が高いSES企業の特徴のひとつが、社員の給与が低いことです。SESエンジニアが離職する要因の一つに、「成果を上げても給与に反映されない」ことを紹介しました。このため、そもそもの給与が低い場合、その後の昇給も見込みにくいので、満足な給与が手に入らない可能性があります。

SESエンジニアは職場環境が変化しやすいうえ、客先での常駐が求められるなどストレスがかかりやすい環境で仕事をしています。したがって、給料面までストレスをためないためにも、給与水準を満たしているかの確認は行っておきましょう。

コミュニケーション面が活発でない

SESエンジニアは働く場所がクライアント先であるがゆえに、社内外ともにコミュニケーションを取る機会に恵まれない場合があり、それがストレスとなることもありえます。

クライアント先で常駐しているため自社に戻ることもほぼなく、常駐先には同じ会社の同僚も少ない。クライアントとはそもそも仕事を含めてもコミュニケーションを取る機会が少ない。……そういう状況になるケースもあるのです。

さらに、クライアントと自社双方の機密情報に触れることに関して社外で話せないため、コミュニケーションがとりにくいのです。以上のことから、SESエンジニアのコミュニケーションは活発になりにくい傾向があるといえます。

そのため、SESエンジニアとこまめなコミュニケーションを取る会社を選ばなければ、職場でのコミュニケーションに悩まされる可能性が高いです。

入社前と入社後のギャップがある

SESエンジニアとして入社したとき、自分が従事するプロジェクトはまだ決まっていないケースが多いです。したがって、入社後に自分がどのような仕事をするのか、具体的な情報がないまま入社を決めることになります。

そのため、入社前と入社後の仕事の内容にギャップが生じる可能性があるのです。これはある意味、SESエンジニアとして働く以上、仕方のないことともいえます。

しかし、少しでも希望の業務内容に携われるクライアントを選びたい方は、SESエンジニアの希望を調査してもらえる会社を選択しましょう。口コミを確認すると、希望のSES企業がエンジニアの意見を調査しているかある程度わかりますので参考にしてください。

離職率が低いSES企業を見分けるには

ITエンジニアとして長く仕事をするためには、離職率が低いSES企業を見分けなくてはいけません。

ここからは離職率が低いSES企業の見分け方の特徴を、以下の3つに絞ってみていきます。

・給与が平均以上の値かを見る

・希望条件を考慮してくれるかを確認する

・勤続年数の長い社員がいるかを確認する

給与が平均以上の値かを見る

SESエンジニアの離職率が高い原因の一つが、給与が低いことでした。つまり給与が平均以上であるどうかが、離職率が低いSES企業を見分けるポイントです。従業員の給与は四季報や、求人情報から入手できます。

求人情報で目安の年収をチェックし、低い方の年収(下限)でいくつかの会社を比較しましょう。給与は「年俸制・月給制のどちらか」、「賞与(ボーナス)はどのくらい支給された実績があるのか」、「単価評価制度を導入しているか」といったことも確認してください。

情報が入手できる範囲で、福利厚生も確認しておくことをおすすめします。さまざまな視点から会社を比較することで、理想のSESエンジニアとしての働き方に近づくことが可能です。

希望条件を考慮してくれるかを確認する

入社するときに「自分がやりたい仕事を選べるのか(案件選択制度を導入しているか)」、「営業において、通勤時間などをどれだけ考慮してくれるか」など、希望の条件を会社が聞いてくれるかの確認も必要です。SESエンジニアとして入社する前に、その会社の働き方が自分に合っているかどうかを知る必要があります。

ストレスなく受け入れられる範囲であれば、入社後のギャップは少なくなるでしょう。採用担当者の口頭だけだと不安な場合は、会社の口コミを調べて在籍している社員の声を知ることもおすすめです。

勤続年数の長い社員がいるかを確認する

離職率が低いSES企業を見分けるには、在籍している社員の勤続年数を聞く方法があります。勤続年数に関する質問は面接時にするとよいでしょう。勤続年数を確認するときには、「勤続○年以上の社員が何人いるか」といった企業全体で勤続年数の長い社員がいるか把握できる聞き方がおすすめです。

一部の方の勤続年数が長いケースも十分考えられるため、勤続年数が最も長い人の情報を確認するだけでは、その会社の離職率が低いとは判断できません。

また、質問に対する答え方があいまいなのか、すぐに答えてくれるのか、数字は出るものの答えにくそうにしているのかといった、先方の回答の仕方も入社を決める判断材料になるでしょう。

SESエンジニアの離職を防ぐためのメンタルケアには、「Fairgrit®」が活かせる!

これまで紹介してきたようにSESエンジニアは、ストレスを抱えやすく離職率の高い仕事といえます。そのためSES企業には、社員に対してきめ細かいメンタルケアが求められるでしょう。

しかし、社員一人ひとりのメンタルケアをするには、コストも労力もかかりすぎてしまい、さまざまな企業が効果的な対策ができずにいます。

このような企業をサポートするために、Fairgrit®というツールが活用されています。Fairgrit®は、客先に常駐している社員がどのような働き方をしているのかを、一元管理できるSES管理システムです。

どのくらい残業をしているのかといった基本的なことから、週報で報告されたメンタルの具体的な状況を把握できます。社員ごとの有給取得状況も同時に確認できるため、有休を取得していない社員に対して労務管理上の働きかけをしやすくなっているのです。

従業員の管理だけでなく、クライアントへの請求や自社の経営状況の管理も可能です。導入している企業では、経営に欠かせないツールとして活躍しています。

SESエンジニアになるなら働きやすい会社を探そう

SESエンジニアは、離職率の高い業種であるため、事前に離職しにくい環境の企業を探すことが大切です。この記事で紹介した、離職率が高いSES企業の特徴や、離職率が低いSES企業の見分け方を踏まえて、より自分に合うSES企業を見つけてください。

とくにコミュニケーション面で悩みを抱え退職してしまう方が多いため、会社が効果的な対策をしているか、有効なツールを活用しているかなど、メンタル面のケアまで行えているか確認しておきましょう。

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