一人での客先常駐がつらいと言われる理由は?対処法とメリットも紹介
客先常駐はエンジニア業界では主流の働き方のひとつであり、多くのエンジニアが自社内ではなくクライアント企業で働いています。
ただし、客先に一人で常駐するのが「つらい」と感じているエンジニアも一定数います。そこで今回は、一人で客先常駐するのがつらいと感じる理由や対処法、客先常駐のメリットについて解説します。
INDEX
客先常駐とは?
そもそも客先常駐とは、自社内ではなくクライアント企業に出社し、常駐して業務を行う形態を指します。
SESエンジニアによく見られる働き方であり、特定の期間内でエンジニアの労働力を必要としている場合に用いられるケースが一般的です。
基本的に毎日クライアント企業に出向いて業務を行うため、所属している企業にはほとんど出社することはありません。
エンジニアにとって一人での客先常駐がつらいと言われる理由
「エンジニアの一人での客先常駐はつらい」という意見をインターネットなどでよく見かけますが、なぜこのような感想が多いのでしょうか。
ここでは、一人で客先常駐するのがつらいと言われる理由について解説します。
頼れる人が周囲にいない
まず、1つ目の理由は頼れる人が周囲にいないことです。
クライアント企業にいる社員は、同じ会社に勤めているわけではないため、自社内の社員のように気軽に質問をすることに抵抗を感じてしまう方が多くいます。
業務内容や職場環境など、新しい業務に携わるときにはこまめに質問しないと業務に支障が出てしまいますが、頼れる人がいないとなかなか質問できないといった状況が発生します。
また、頼れる人がおらず、不安を抱えながら働くとストレスを感じてしまうこともあるため、常駐先で一人で働くのがつらいと感じやすくなるのです。
ITスキルに不安がある
ITスキルに不安を持っている人も、一人での客先常駐をつらいと感じやすいです。
自社内で勤務をする場合、自身のスキルに自信がなかったとしても、同僚や上司にサポートを求めやすいため心理的な負担は大きくありません。しかし、一人での客先常駐では、先に触れたように誰かに頼りにくいケースもあるため、スキルに不安がある場合につらいと感じやすいです。
実際には、案件の契約前にスキルの確認などが行われるため、自身の実力から大きく離れたプロジェクトや業務を担当するケースは少ないです。しかし、普段使わないツールやクライアント企業独自のルールがあると、対応に戸惑ってしまう可能性はあるでしょう。
人間関係に悩む
客先常駐では、自分以外のエンジニアはクライアント企業に在籍している社員が多いため、すでにコミュニティーが形成されているケースがほとんどです。そのため、そのコミュニティーに溶け込み、業務を行いやすい人間関係を構築しなければなりません。
エンジニアの業務では、チーム内でのコミュニケーションが重要になってくるため、良好な人間関係を築けなければ、業務にも大きな支障が出ます。
しかし、すでに構築されているコミュニティーに溶け込むのは、簡単なことではありません。また、もしそこになじめても、その後、新たに常駐先が変わってしまうと、また最初から人間関係を構築する必要があります。
そのため、人間関係の構築があまり得意ではない人は、一人での客先常駐はつらいと感じてしまうでしょう。
孤独感がある
客先常駐では、孤独感があることがつらいと感じる人も多いです。
自分以外の人間はクライアント企業の社員である場合がほとんどなため、業務中にコミュニケーションはあっても、休憩中などに世間話をする相手などを見つけにくい可能性があります。その結果、疎外感や孤独感から働きづらいと感じてしまうのです。
もちろん、常駐先によってはフレンドリーに話しかけてくれる人もいるため、必ず孤独感に悩まされるというわけではありません。また、自分からコミュニケーションを取ることで良好な関係性を構築していくなど、自身の努力である程度解決できる部分もあります。
評価が明確でない
客先常駐では、仕事内容を自分が所属する会社の人間に見られていないため、評価が明確に行われているか不安になりやすいです。
勤務内容や成果についての評価は、常駐先の社員の報告による間接的な評価になってしまうため、「正しい評価がされていないのではないか?」と感じてしまうのです。
そのため、自社内でエンジニアとして働いているときよりも、仕事に対するモチベーションの維持が難しくなる可能性があります。
一人での客先常駐がつらいと感じた際の対処法
一人で客先常駐を続けていてつらいと感じたとき、どのように対応すれば不安を和らげられるのでしょうか。
ここでは、一人での客先常駐がつらいと感じた際の対処法について解説します。
多様な人脈を形成する
客先常駐では、頼れる人が周囲にいないことや慣れない職場環境での業務によって孤独を感じてしまうことがあります。
しかし、積極的に周囲の社員とコミュニケーションを取り、多様な人脈を形成できれば、孤独感によるつらさも解消されるでしょう。良好な関係を構築できれば、業務上での相談や質問も気軽にできるようになり、快適に働けるはずです。
また、案件によっては、他のSESエンジニアやフリーランスエンジニアと業務を行うケースもあります。このような方たちとの人脈を形成できれば、次回以降の案件などの関係構築につながる可能性もあります。
そのため、積極的にコミュニケーションを取り、人脈を形成していくことが大切です。
自分で解決できそうなことであれば努力してみる
わからないことがあった際に、その都度、誰かに質問や相談をして業務を進めることもひとつの方法ですが、自分で解決できそうなことであれば、できるだけ努力して解決を試みることも大切です。自ら調べたり挑戦したりして解決するための方法を模索することで、経験やスキル、知識などが身に付きます。
その結果、常駐先のクライアント企業から高く評価されるようになったり、担当できる業務の幅が広がったりするでしょう。
スキルアップの機会にする
客先常駐で業務をする際に、「自身のスキルアップにつなげよう」という心持ちでいると、つらさが軽減する可能性があります。
客先常駐では、普段使っているツール以外での作業を求められたり、あまり経験のない作業を割り振られたりするなど、新たなスキルの習得が求められるケースがあります。
そうした状況下でもしっかりと努力することによって、自社内の業務だけでは得られないスキルを獲得することも可能です。
例えば、自社で仕事をする場合、固定された業務を担当したり、いつも同じツールを扱ったりしますが、案件ごとに勤務先が変わることで、新しいツールの操作方法や異なる作業方法を習得できます。
また、わからないことにも積極的に取り組んで解決し続けていけば、スキルの習得だけではなく、問題解決能力の向上にもつながるため、エンジニアとしてのキャリアアップにもなります。
「客先常駐をスキルアップの機会として活用しよう!」といったかたちで、気持ちを切り替えて仕事に臨んでみることをおすすめします。
複数人での客先常駐に切り替えるように所属元に要請する
客先常駐では、クライアント企業で業務を行うため、孤独感やストレスを強く感じてしまうことが多いです。もしも、一人での客先常駐が不安な場合は、SES企業の担当者に複数人での常駐に切り替えられないか伝えてみましょう。
案件によっては、複数人のエンジニアを募集している案件もあるため、条件がマッチすれば同じ社内のメンバーで参画できる可能性もあります。自身が所属する企業のエンジニアが何人かいる常駐先であれば、気軽に相談や質問ができ、孤独感が生じることもないでしょう。
ただし、案件によっては複数人での参画が難しい場合や、複数人の案件を優先することで、希望の案件を受注できない可能性もあります。
他の条件と比較しながら、自分が納得できる案件に参画できるように、担当者と相談することが大切です。
客先常駐で働くことにはメリットも多い
エンジニアが、一人で客先に常駐して働くのはつらいと感じる理由は多々あります。しかし、客先常駐で働くことにはさまざまなメリットもあります。
ここでは、客先常駐で働くことによるメリットを紹介します。
さまざまな企業で働く経験が積める
客先常駐では、案件ごとにさまざまな企業で働く機会があるため、幅広い業務に携わったり、数多くの現場で業務を行ったりといった経験が積めます。
複数の現場で業務に携わることで、新しいコミュニティーになじむためのコミュニケーション能力を身に付けることが可能です。エンジニアとしてのキャリアアップやスキルアップを目指している方であれば、客先常駐での経験が将来のキャリアに役立つ可能性があるでしょう。
幅広いスキルを習得できる可能性がある
客先常駐では、これまでに経験したことのない業務を任されることもあります。
初めてそれらの業務を行う場合は、新しく覚える作業が多く、つらいと感じることもあるでしょう。しかし、新しい業務をこなした経験を通じて幅広いスキルを習得できる可能性もあります。
また、業務を無事に完了させることで、常駐先の社員から高い評価をもらえるかもしれません。自身の評価を上げたいのであれば、難しい業務に当たったときこそチャンスととらえるようにしましょう。
コミュニケーション能力が身に付く
自分以外は全員クライアント企業の社員といった場合は、すでに構築されているコミュニティーになじむ必要があります。
そのため、常駐して間もないころは勤務先で多くの負担を感じるかもしれません。しかし、良好な人間関係を築くために積極的に行動すれば、その過程でコミュニケーション能力を身に付けられるでしょう。
エンジニアは、プログラミングやITスキル以外にもコミュニケーション能力が重要になってくる場面も多いため、エンジニアを続ける上でさまざまな職場に在籍するのは、自身のスキルアップにつながります。
また、コミュニケーション能力を身に付ければ、客先常駐での孤独感や人間関係の悩みなどを解消することができるため、働きやすい環境を自ら構築しやすくなります。
一人での客先常駐はキャリアアップの機会ととらえよう
客先に一人で常駐しているエンジニアの中には、さまざまな理由から、つらいと感じながら働いているケースがあります。
しかし、新しいスキルや経験を身に付けるための機会としても活用できるため、エンジニアとしてのキャリアアップやスキルアップに大きく貢献する可能性もあります。
もしも、一人での客先常駐がつらいと感じている場合は、SES企業の営業担当など、頼れる方に相談してみてください。また、少しずつで良いので、話しやすい相手を見つけ、自分からコミュニケーションを取ってみることをおすすめします。
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