プロジェクト管理の案件参加を目指すなら取っておきたい資格5選|取得するメリットも紹介
プロジェクト管理者は、プロジェクト全体を取り仕切る重要なポジションです。納期を守り高品質な成果物を完成させるには、プロジェクト管理者の手腕が問われるでしょう。
そこで本記事では、プロジェクト管理者を目指す人へ向けて、プロジェクト管理者の概要や資格を取得するメリット、おすすめの資格について解説します。
INDEX
プロジェクト管理者とは?
プロジェクト管理者とは、チームを束ねてプロジェクト全体を取り仕切るポジションの人のことです。
正確で詳細なスケジュールやタスク管理をすることで、プロジェクトを円滑に進め、成功につなげることが主な役割です。予算や人材、進行、品質などプロジェクトに関する一切の責任を担う重要な職種といえます。
複数のチームが参加するプロジェクトでは、進捗が少し遅れるだけで全体に大きな影響を及ぼします。プロジェクトを成功へ導くためには、プロジェクトの詳細を理解し、視野を広く持ってプロジェクトを管理する必要があります。
プロジェクト管理者が担う業務内容
プロジェクト管理者の主な業務内容は以下の3つです。
・プロジェクトの立ち上げと管理
・プロジェクトメンバーの管理
・人員の手配
ここからは、それぞれ詳しく解説します。
プロジェクトの立ち上げと管理
プロジェクトの立ち上げや管理などの業務は、プロジェクト管理者のメイン業務です。
例えば、システム開発プロジェクトの場合、プロジェクト開始から完了までの品質や費用、納期の管理をプロジェクト管理者が行います。
また、プロジェクトが想定通りに進まず、スケジュールの遅れや予定外のアクシデントが発生する場合もあるでしょう。そのような場合に対策を検討し、解決に導くのもプロジェクト管理者の役割のひとつで、迅速に対処する能力が求められます。
プロジェクトメンバーの管理
プロジェクト管理者の業務は、プロジェクトの進捗度合いや成果物の完成状況などの全体管理だけではありません。メンバーとのコミュニケーションを通し、プロジェクトメンバーの管理も行う必要があります。
メンバー間のコミュニケーションを円滑にすることで、トラブルの発生を未然に防げます。また、円滑なコミュニケーションが取れるよう、メンバー同士が自由に発言できるような雰囲気づくりも必要です。
そのほか、メンバーのモチベーション維持や納期を遵守するタイムマネジメントも、プロジェクト管理者の重要な業務といえます。
人員の手配
プロジェクトに適した人員を手配し、適切に配置することもプロジェクト管理者の業務です。プロジェクトの規模や種類に応じて必要な人員は異なるため、プロジェクト管理者が判断してメンバーを選任する必要があります。
プロジェクト管理者が人員手配をすべて行うわけではありませんが、必要な予算などをとりまとめ、経営陣など決裁権限者への提案や許可取りを行うことが多いです。
プロジェクトの規模によっては、プロジェクト管理者のほかにリーダーを選任する場合もあるため、メンバーのマネジメント力やリーダーシップ能力も把握しておく必要があります。
プロジェクト管理者が資格を取得するメリット
プロジェクト管理者を目指すにあたって、資格の取得はさまざまなメリットがあります。
ここからは、プロジェクト管理者が資格を取得するメリットについて、以下の4つを解説します。
・プロジェクト管理者に必要なスキルを学べる
・スキルがあることの証明になる
・キャリアアップにつながる可能性がある
・他の資格試験の一部が免除されるケースもある
プロジェクト管理者に必要なスキルを学べる
資格を取得する過程を通して、プロジェクトマネジメントに必要なスキルが学べます。
プロジェクト管理者には、マネジメントスキルやディレクションスキル、ビジネスや経営の知識など、幅広い知識やスキルが必要です。しかし、これらの知識を身につけようとしても、学習すべきことが多いため、どこから勉強すべきか優先順位を見失うことがあります。
そのため、資格のカリキュラムに沿って学習を進めることで、迷わず知識を体系的に習得できるでしょう。
スキルがあることの証明になる
プロジェクト管理に関する資格を取得することで、プロジェクト管理者としてのスキルを第三者に証明できます。
プロジェクト管理には明確な成果物がないため、スキルを客観的に示すポートフォリオの作成が難しいです。しかし、資格があればプロジェクト管理者に必要な知識を習得しているという証明になります。
プロジェクト管理者としての実績がない状態でのスキル証明は難しいため、自分のスキルを客観的に証明できる資格の取得は有効といえるでしょう。
キャリアアップにつながる可能性がある
プロジェクト管理者が資格取得者であることは、社内外からの信頼や安心を得られるため、キャリアアップにつながる可能性があります。
信頼や安心があると新たな仕事を任せてもらえるチャンスに恵まれやすくなるため、より多くの経験や実績を積める可能性が広がるでしょう。また、特定の資格を取得することで手当が出る企業もあります。
今後のスキルアップに向けて転職を考えている場合、資格の保有は大きなメリットがあるといえるでしょう。
他の資格試験の一部が免除されるケースもある
プロジェクト管理者に関連した資格には難易度の高いものがあるため、他の資格試験の科目の一部が免除されるケースもあります。
例えば、IPAのプロジェクトマネージャ試験に合格した場合、その後の2年間は情報処理技術者試験の高度試験や情報処理安全確保支援士試験の一部が免除されます。
試験が一部免除されることで、免除された試験の対策をする必要がなくなり、受験者の負担は軽減されるでしょう。負担の軽減は新たな資格を取得するきっかけにもなるため、保有資格を増やすことで、さらなるキャリアアップが目指せます。
プロジェクト管理者が取得しておきたい資格5選
実際に資格を取得したいと考えても、さまざまな資格があるため、どれを取得すべきかわからない人も多いのではないでしょうか。
ここからは、プロジェクト管理者が取得しておきたい資格を5つ紹介します。今回紹介する資格は以下の通りです。
・プロジェクトマネージャ試験
・PMOスペシャリスト認定資格
・P2M資格試験
・ITストラテジスト試験
・PMP
プロジェクトマネージャ試験
「プロジェクトマネージャ試験」とは、独立行政法人情報処理推進機構が運営するプロジェクトマネジメントスキルの証明を目的とした資格試験です。
試験では、プロジェクトの計画立案やリスクマネジメントなど、プロジェクト管理者に必要なスキルや知識を幅広く求められます。
2023年秋期の合格率は約13.5%で、他の年も12~15%の合格率で推移している難易度の高い資格です。その分、資格保有者への企業からの評価は高く、取得するメリットが大きい資格といえるでしょう。
■公式サイト
プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
PMOスペシャリスト認定資格
組織内に複数あるプロジェクトについて、部門やプロジェクトの垣根を越えて横断的な業務サポートを行う役割や仕組みをPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)と呼びます。
「PMOスペシャリスト認定資格」は、一般社団法人日本PMO協会が主催する、PMO業務で取得すべき基本的な知識やスキルを評価するための認定資格です。難易度に応じて以下のランクに分かれます。
・PMOSスペシャリスト・シングルスター[PMO-S(★)]
・PMOSスペシャリスト・ダブルスター[PMO-S(★★)]
・PMOSスペシャリスト・トリプルスター[PMO-S(★★★)]※2023年12月現在、策定中
問題は択一形式で出題され、合格目安は正答率80%以上です。オンラインで受験でき、e-ラーニング教材で対策できるため、パソコンがあれば受験できます。
隙間時間を利用して資格対策できるため、仕事をしながらでも取得を目指しやすい資格といえます。
■公式サイト
【認定資格】PMOスペシャリスト認定資格 – 日本PMO協会|NPMO
P2M資格試験
「P2M資格試験」とは、特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会が主催する民間資格です。P2Mは「プログラム・プロジェクトマネジメント」を意味しています。
日本発祥の基準で、プロジェクトマネージャーに必要なスキルを体系的に評価する資格です。試験は、ランク別に以下のように分かれています。
・プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験[PMC資格]
・PMSプログラム試験[PMS資格]
・プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験[PMS資格]
・プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験[PMR資格]
・プログラムマネジメント・アーキテクト(PMA)資格試験[PMA資格]※2023年12月現在、未実施
PMCが最も難易度が低く、合格率は累計平均68.2%です。公表されているガイドブックの内容を理解すれば、十分に合格が狙えるでしょう。
PMSはPMCより難易度が高く、豊富な知識・スキルが求められます。合格率はプロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験が累計平均48.8%、PMSプログラム試験が累計平均65.2%です。
PMRはPMS資格登録者で実務経験3年以上の人に受験資格があります。合格率は累計平均77.8%です。
PMAはPMR資格登録者に受験資格がありますが、現時点では詳細は発表されておらず最高難易度の資格です。
■公式サイト
ITストラテジスト試験
「ITストラテジスト試験」は、独立行政法人情報処理推進機構が運営する、経営戦略に基づいたIT戦略の策定やITを活用した事業・業務改革の推進ができることを示す資格試験です。ストラテジストは、日本語で戦略家を指し、システムやソフト開発の上流分野での活躍につながります。
ITストラテジストとして活躍するために資格は必要ありませんが、スキルを客観的に証明する上で重要なスキルです。IT系の国家資格の中でも、最も高い難易度4に分類されており、2023年春期の合格率は15.5%のため、高度な知識やスキルが必要な資格といえるでしょう。
■公式サイト
ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
PMP
「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」は、PMI(Project Management Institute, Inc.:プロジェクトマネジメント協会)が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。アメリカ発の資格で、国際基準でのプロジェクトマネジメントの知識が証明できます。日本のとりまとめは一般社団法人PMI日本支部が担当しています。
受験資格には実務経験が必要で、3年ごとに更新が必要など他の資格とは異なる点も多いです。国内の資格試験と形式が異なる点もあり、プロジェクト管理者を目指してすぐの人にとっては難しい資格といえるでしょう。
その分、国外のエンジニアやIT企業に対してスキルを証明できます。プロジェクト管理の業務に長期間携わるのであれば、いずれは取得を目指したい資格といえるでしょう。
■公式サイト
プロジェクト管理者の資格はスキルを証明するための手段になる
プロジェクト管理者はプロジェクトを進める上で重要な職種ですが、業務内容の特殊性から、ポートフォリオなどへ落とし込んで保有スキルを伝えるのが容易ではなく、客観的なスキルの証明が難しい職種といえます。
そのため、スキルの証明やキャリアアップにつながるなどといったメリットがある、プロジェクト管理者関連の資格を取得することがおすすめです。まずは難易度の低い資格を取得し、実務経験を積んでから国家資格など難易度の高い資格の取得を目指すとよいでしょう。
参考:PM・PMOのフリーコンサル案件について~単価相場や仕事の取り方、将来性も解説~ – フリーコンサルタントの案件紹介ならSCB
参考:【比較】プロジェクト管理ツール10選|選定ポイントとメリット・デメリットも解説 | Web幹事
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