SESエンジニアに資格は必要?取得するメリットやおすすめの資格を解説
SESエンジニアとして働き始めた、またはこれから働こうと思っている人の中には、「資格は取得したほうがよいのだろうか?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
実際にSESエンジニアとして働く上で、いくつかの資格は持っておいたほうが業務を進めやすくなるケースもあります。
そこで本記事では、SESエンジニアが資格を取得するメリットやデメリット、おすすめの資格について解説します。また、SESの資格を効率よく取得するためのおすすめの勉強法も紹介しますので、働きながら資格取得を目指すときの参考にしてください。
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SESエンジニアに資格は必要?
SESエンジニアになるために特定の資格が必要になるわけではありません。SESエンジニアとして扱う業務は資格がなくても作業にあたれますし、資格よりも実務経験のほうが評価されやすいため、無資格で活躍するSESエンジニアも多いです。
ただし、経験が浅い場合は評価対象となる情報が少ないため、資格を持っていると転職活動やSES面談などで有利になることもあります。また、資格取得のために勉強する中で得られた知識は実務にも活かせるでしょう。
そのため、自分の専門分野に関わる資格は、取得しておいて損はないといえます。
SESエンジニアが資格を取得するメリット
SESエンジニアが資格を取得するメリットには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、SESエンジニアが資格を取得する主なメリットを4つ解説します。
自分のスキルに自信を持てる
資格を取得することで、自分のスキルに自信が持てるようになります。自分のスキルに自信が持てないSESエンジニアでも、資格を取得していれば「正しい知識が自分の中に身についている」という自信につながるでしょう。
また、資格取得を通して勉強した内容であれば、新しい業務を割り振られたとしても、一からのスタートではないため不安が軽減されます。
資格取得を通じて、知識やスキルを身につけているという自信があれば、自分の発言にも自信を持てるようになります。その結果、周囲からの評価も高まり、業務をスムーズに進めやすくなるでしょう。
SESの客先常駐面談でマッチする可能性が上がる
SESの客先常駐面談でマッチする可能性が上がるのも、SESエンジニアが資格を取得するメリットのひとつです。面談は、現場が求める人材と自分がマッチしているのかを確認するための場です。
そのため、面談担当者に対して、自分の言葉で明確に何ができるのかを説明しなければいけません。担当者にうまく伝えられなければ、本来ならマッチしていたはずの現場とのマッチングのチャンスを逃してしまうことになるでしょう。
しかし、資格があればそれだけである程度の知識やスキルを備えた人材であることがわかります。口頭でうまく説明できなくても、クライアントに自身のスキルを理解してもらえる可能性が高まるのです。
特に実務経験が少ないSESエンジニアにとって資格は大きなアピールポイントになるため、有利に働きやすいでしょう。
社内での評価が上がる
資格を持っていると、社内での評価が上がりやすくなります。SES業界では、資格取得よりも経験を積むことを重視する傾向もあり、資格を取得しないSESエンジニアも多いです。
そんな中、資格を取得することで周囲よりも一歩リードした状態になり、会社からの信頼も得やすくなるでしょう。資格を評価しているSES企業であれば、昇給につながるだけでなく、資格手当や合格祝い金も支給してもらえます。
希望のSES企業に就職しやすくなる
資格を持っていれば自分のスキルを証明しやすくなるため、希望するSES企業へも就職しやすくなります。
就職や転職の際には書類選考があるものです。いくら実務経験があっても、持っているスキルや自分にできる業務を文章や言葉で説明するには限界があります。履歴書や職務経歴書だけでは十分にアピールできず、書類選考を通過できない可能性も出てくるでしょう。
しかし、資格があれば、自分のスキルをわかりやすくアピールできます。その結果、書類選考を通過できる可能性が高まり、希望する企業から内定をもらえる可能性も高まります。
SESエンジニアが資格を取得する際の注意点
SESエンジニアの資格取得には、さまざまなメリットがある一方、注意すべきこともあります。
ここでは、SESエンジニアが資格を取得する際の注意点について紹介します。
貴重な休暇や時間を勉強に使う必要がある
資格を取得するには、プライベートの時間を勉強に割かなければなりません。終業後や休日など、貴重な休暇を勉強に費やす必要があります。また、勉強は日々の積み重ねも大切なため、通勤時間などの隙間時間を活用するといった工夫も重要となってきます。
少しでも負担を減らしたいときは、業務に関連する資格取得を目指すことがおすすめです。業務中に活用するスキルであれば仕事中でも勉強になるため、通常よりも少ない勉強量で取得できる可能性が高まります。
教材費や受験費用が必要になる
資格取得には受験費用や講座の受講費用、教材費などが必要です。特に、IT系の資格は一般的な資格と比べて費用がかかる傾向にあり、受験費用だけで30,000円以上するものもあります。そのため、ある程度の出費を覚悟の上で資格取得を目指す必要があるでしょう。
しかし、受験費用を手当として補助してくれる会社や、資格の取得時に合格祝い金や資格手当を受けられる会社もあるため、社内制度を活用して費用を補填するのもおすすめです。
とはいえ、合格祝い金や資格手当は、合格しなければ支給してくれないことも多く、受験前や合格前にはもらえません。余計な出費を防ぐためにも、しっかり勉強して1回の受験で合格できるようにするとよいでしょう。
SESエンジニア初心者が取るべき資格
SESエンジニアに役立つ資格はいくつかありますが、初心者の場合、どのような資格を取得するべきなのでしょうか。
ここでは、SESエンジニア初心者が取得を目指すべきおすすめの資格を目的別に紹介します。
IT全般の基礎知識を学べる資格
SESエンジニアとしての経験が浅くIT用語や基礎知識を身につけたいなら、次の2つがおすすめです。
・ITパスポート(iパス)
・基本情報技術者試験
どちらもエンジニアとして働く上で必要となる基礎知識を体系的に学べます。IT用語を中心に学ぶなら「ITパスポート」を、より実践に近いスキルも身につけるなら「基本情報技術者試験」を目指すのがおすすめです。
どちらも国家資格ですが、特に「基本情報技術者試験」は比較的難易度が高く、取得していればIT知識の基本をきちんと習得していることの証明になるため、転職活動で有利に働くことでしょう。
■公式サイト
基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
インフラ系を学べる資格
インフラに関する資格を取得したい場合は、次の3つがおすすめです。
・CCNA
・LinuC
・AWS認定資格
特にシスコ認定試験のひとつ「CCNA」は、インフラ系の業務でおさえておくべきネットワークの基礎知識が身につく資格です。インフラ系の案件を受注したい場合はぜひ取得しておきましょう。
また、「LinuC」はLinuxの技術力を認定する資格です。サーバー構築から運用管理の実用的なスキルまで身につきます。レベル1から3まであり、順に習得していきます。
なお、これまでLinuxの技術力認定を行っていた「LPIC」という資格がありますが、現在は日本での取り扱いを停止しています。停止前にLPIC認定を受けていた資格保有者の管理は「LinuC」が引き継いでいます。
さらに、クラウド分野の資格取得を検討している方は、AWS認定資格の取得がおすすめです。初級~上級までのレベルが用意されており、クラウドに関する基礎的な内容から実践的な内容まで学べます。
■公式サイト
CCNA – Training & Certifications – Cisco
IT資格といえば LinuC(リナック) | Linux技術者認定試験LinuC | LPI-Japan
AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS
DB系を学べる資格
DB(データベース)系の資格を取得したい場合は、次の2つがおすすめです。
・Oracle Master
・OSS-DB
「Oracle Mastar」はOracle社のデータベースに関する技術力を認定する資格で、「OSS-DB」はPostgreSQLを基準にオープンソースデータベースに関する知識やスキルを証明する資格です。自身が扱うデータベースに合わせて取得する資格を選択しましょう。
データベースはシステムの根幹を成す部分でもあるため、重要度が高く、扱えるエンジニアの需要も高いです。難易度の高い資格ではありますが、DB系のエンジニアを目指すのであれば、ぜひ挑戦したい資格のひとつでしょう。
■公式サイト
ORACLE MASTER Portal – be an ORACLE MASTER – | オラクル認定資格制度 | Oracle University
システム系を学べる資格
システム開発に役立つ資格を取得したい場合は、自身が普段活用しているプログラミング言語の認定資格取得を目指しましょう。例えば、Javaの場合は次の資格がおすすめです。
・Oracle社のJava認定資格
JavaはIT業界でもっともよく使われているプログラミング言語であり、SESの現場でもよく使用されます。システム系のエンジニアに限らず取得しておいて損はない資格といえるでしょう。プログラムの動きを理解できることで、トラブルが起こった際に解決しやすくなるなど、役立つことも多いです。
■公式サイト
認定試験一覧 | オラクル認定資格制度 | Oracle University
参考:ITパスポート試験 | アガルートアカデミー
SESエンジニアとして専門性を高めたい人におすすめの資格
SESエンジニアは専門性を高めると市場価値も高くなります。そのためには、難易度が高く、専門的な資格を取得するのが効果的です。
ここでは、SESエンジニアとして専門性を高めたい人におすすめの資格を紹介します。
応用情報技術者試験
「応用情報技術者試験」は、システム開発の際に必要な情報処理について問われる国家試験です。取得しておけば、応用的な知識やスキルが備わっていることを証明できます。
初心者向けの基本情報技術者試験の上位に位置付けられた試験であり、2023年度春期の合格率は約27.2%と難易度もやや高めです。応用情報技術者試験を取得することで、システム開発だけではなく、設計や運用までトータルでより高い技術を持っていることの証明ができます。
スキルアップや上流工程の担当を目指す人向けの資格といえるでしょう。
■公式サイト
応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
ネットワークスペシャリスト試験
「ネットワークスペシャリスト試験」は、ネットワークについての高度な知識とスキルを認定する国家資格です。ネットワークシステムの構築から保守まで幅広い知識やスキルを深く学べるので、ネットワークエンジニアやインフラ系のエンジニアを目指す人におすすめの資格といえるでしょう。
応用情報技術者試験の上位資格であり、2023年度春期の合格率は14.3%と低めです。
ネットワークスペシャリスト試験の資格を取得すると、ネットワークシステムの業務がすべておこなえるだけでなく、人に教える役割も期待されます。将来的にマネジメント役職を目指すなら、取得しておくと有利な資格です。
■公式サイト
ネットワークスペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
データベーススペシャリスト試験
「データベーススペシャリスト試験」は、データベースシステムの開発、構築するために必要な知識やスキルを備えていることを認定する国家資格です。応用情報技術者試験の上位資格であり、試験の合格率は2022年秋期で17.6%と難易度の高い資格といえるでしょう。
資格を取得することで、データベースのスペシャリストとして、最適なシステムデータベースの企画から保守まで総合的に技術支援をできるようになります。
■公式サイト
データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」は、IoTなどの組み込み系のシステム開発に必要な知識とスキルを認定する国家資格です。
応用情報技術者試験の上位資格のひとつであり、2022年秋期の合格率は19.7%と情報処理技術者試験の中でも難易度の高い資格です。
広範囲にわたる高度な専門知識が必要なだけでなく、発想力やマネジメント能力まで求められます。近年、IoT分野が急成長していることもあり、組み込み系システム開発の需要は広がっていくと予想されています。大規模なエンタープライズ系システムの開発者にもおすすめの資格です。
■公式サイト
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
SESの資格を取るためのおすすめ勉強方法
SESエンジニア向けの資格は独学でも取得を目指せます。
独学で勉強する場合は、学習の初期段階で過去問の解答例と解説を読んでおき、試験問題の全体像を把握しておくのがポイントです。試験全体の要項がわかることで、重点的に学ぶ箇所をイメージできるため、学習の優先順位を決めて効率よく勉強を進められます。
ただし、独学はモチベーションの維持が難しく、学習途中で挫折してしまう人もいます。もしも独学での勉強が不安な場合は、スクールに通ったり通信講座を受講したりするのもおすすめです。
スクールや通信講座の場合、カリキュラムが決められているため効率よく勉強できますが、費用がかかるため、予算に合わせて検討しましょう。
SESエンジニアは資格を所有していると有利になる
SESエンジニアにとって資格の取得は必須というわけではありません。しかし、資格を取得しておけば、業務においても自身のキャリアアップにおいても有利になることは間違いないでしょう。
また、より深い専門知識を身につけておくことで、SESエンジニアとしての自分自身の価値がさらに高まります。目指したい分野の資格は、ぜひ積極的に挑戦してみてください。
資格の取得を通じて、業務に必要な専門知識やスキルを身につけ、現場で即戦力となるSESエンジニアを目指しましょう。
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