SESの待機期間とは?発生する原因やその間の給与事情について解説

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SESの待機期間とは?発生する原因やその間の給与事情について解説

SESエンジニアは、基本的にSESの契約期間が終了すると同時に、現在参画しているプロジェクトの現場から離れます。その際に、次のプロジェクトが決まっている場合はその現場に赴きますが、決まっていない場合は自社や自宅で待機することになります。

しかし、そもそも「待機期間中の給与はどうなるのか?」「待機期間中に何をすればいいのか分からない…」などの情報を持ち合わせず、疑問に思っている方もいるかもしれません。

そこで本記事では、SESエンジニアの「待機期間が生まれるケースと原因」の基礎知識から、待機期間中の給与の考え方、待機期間中にすべきことまで詳しく解説します。

SESの待機期間とは?

SESエンジニアの待機期間とは、次に参加するプロジェクトが決まっておらず、プロジェクトの案件を探している期間のことです。この間、自社(SES企業)や自宅で待機することになります。

待機にはなるものの、正社員としてSES企業に所属しているため、無職になるわけではありません。

また、待機期間中の給与が支払われるかどうかは雇用契約にもよりますが、満額支払われるケースもあれば、休業扱いになるケース、基本給だけ支払われるケースなどがあります。

待機期間中の給与の扱いについては、記事後半の「SESの待機期間中の給与はどうなる?」でも解説しますのであわせてご覧ください。

SESの待機期間が設定されるケース

ここからは、SESエンジニアの待機期間が発生する以下の3つの代表的なケースで解説します。

・次の常駐先が決まらなかったケース

・契約が急に終わったケース

・入社したばかりのケース

次の常駐先が決まらなかったケース

まず、現在参画しているプロジェクトの終了時までに、次に参画するプロジェクトが決まらない場合、空いた期間は待機期間となります。

参画している案件が終了する場合、通常は1カ月前に知らされ、次の常駐先を探すのが一般的です。SES企業としては、待機期間が生じてエンジニアの稼働率が下がるのを避けるため、できるだけ待機期間を発生させないよう調整します。

しかし、案件数が少ない時期などには、やむを得ず待機期間が生じてしまうケースもあるでしょう。

また、プロジェクトの終了日と次のプロジェクトの開始日までの期間が空いている場合にも、待機期間が発生します。

契約が急に終わったケース

クライアントやエンジニアの都合により、やむを得ず契約が終了するケースもあります。急に契約が終了してしまうと、次に参加するプロジェクトがまだ決まっていないため待機せざるを得ません。

急に契約が終了する主な原因は、以下の通りです。

・クライアント先の予算が尽きた

・クライアント先の倒産や不祥事など予期せぬトラブル

・SESエンジニアのスキル不足

・SESエンジニアの勤怠不良

・ハラスメントやトラブルの発生 など

また、クライアントやSESエンジニアに問題はなくても、災害の発生により業務が継続不可能になったことで契約が終了することもあります。

入社したばかりのケース

新卒のSESエンジニアやエンジニアとしての経験が浅い人がSESエンジニアになった場合、まずは自社で研修を受け、SESエンジニアとしてのスキルを身につけながらクライアントとの面談を行うのが一般的です。

しかし、研修期間中に常駐先が見つからなければ、待機することになります。

ただし、経験者でも入社後にいきなり待機期間が長く続く場合は、会社としての営業力が低いことが考えられるため、注意が必要です。

SESの待機期間が設定される主な原因

SESの待機期間が設定される原因について掘り下げると、どのような原因があるのでしょうか。

ここでは、待機期間が設定されてしまう主な原因について解説します。

会社の営業力の低さ

待機期間が設定されるかどうかは、SES企業の営業力に左右される部分があるといえます。企業に安定した営業力がなければ、SESエンジニアをアサインできるクライアント先とプロジェクトをすぐには見つけられないこともあるでしょう。

そのため、たとえ実力のあるSESエンジニアであっても、SES企業の営業力によって待機期間が生まれる可能性があるのです。

逆に、営業力やコネクションの強いSES企業であれば、エンジニアの能力に合ったクライアント先とプロジェクトを見つけやすくなります。

エンジニアの面談力の低さ

待機期間が生まれる原因は、SESエンジニアの面談力にもあります。

エンジニアとしての実力があっても、クライアントに自身の能力をアピールするほか、プロジェクトを円滑に遂行できるコミュニケーション能力があることを理解してもらわなければ、案件を担当することはできません。

SESエンジニアとして待機期間の発生を防ぐためには、以下のことに気をつけて面談に臨むとよいでしょう。

・クライアントの質問の意図を汲み、意図に沿った回答を行う

・簡潔かつ前向きな回答を心がける

・プロジェクトに必要なスキルや知識を有していることを伝える

・コミュニケーション能力や仕事に対する前向きな姿勢、誠実さ、士気の高さなどを示す

さらに、面談時の印象も大切になります。表情をよくするために口角を上げたり、目を見て話したり、身だしなみを整えたりすることもポイントです。

想定される質問(経歴・スキルセット・長期での参画可否・マネジメント経験の有無など)の答えをあらかじめ考えておいたり、逆質問を準備したりしておくのも有効でしょう。

会社の戦略によるもの

企業の戦略により、SESエンジニアを待機させることもあります。より高い単価のプロジェクトを探していたり、SESエンジニアが希望する条件のクライアントやプロジェクトを探していたりするケースがこれに該当します。

SES企業がよりよいクライアントやプロジェクトを探すことは、SESエンジニアにとってもプラスです。

ただし、SESエンジニアに相談のないまま、勝手に待機させる企業には注意が必要です。会社の都合を最優先とし、エンジニアへの配慮に欠ける企業といえるため、企業の都合に振り回される可能性が高いといえるでしょう。

SESの社内待機と自宅待機の違い

SESエンジニアの待機には、社内待機と自宅待機があります。ここでは、その違いについて解説します。

自宅待機とは

自宅待機とは、次のプロジェクトが決まるまでの間、クライアントからの面談依頼やSES企業からの指示を待ちながら自宅で待機することを指します。

クライアント先や自社に出勤してはいないものの、勤務中であるため自宅待機中は独学で自習することが一般的です。また、所属するSES企業から指示があった場合には、すぐに対応する必要があります。

社内待機とは

社内待機とは、次のクライアント先が決まるまでの間、自社で待機することを指します。次のプロジェクトが決まるまでは、自社内で次のような業務にあたるのが一般的です。

・内勤向けのツール開発

・受託開発のサポート

・研修中のSESエンジニアの指導

・自習

・その他の雑務

業務のために出社しているため、基本的に待機期間でも給与は満額支給されます。ただし、常駐手当は支払われないため、給与総額は常駐時より低くなるケースが多いでしょう。

SESの待機期間中にできることとは?

SESの待機期間中は給与が支払われるため「遊んでいてもいい」という期間ではありません。
とはいえ、会社から具体的な指示がなければ「何をすればいいか分からない」という人もいるのではないでしょうか?

ここでは、SESの待機期間中にできることを紹介します。

次に関わるプロジェクトで必要なスキルの確認と習得

次のプロジェクトが決まっていて、その開発環境が分かっているなら、次のプロジェクトで必要とされるスキルの確認と習得をするとよいでしょう。

しっかり準備をすることで、プロジェクトへスムーズに参加でき、適切な業務遂行に役立ちます。その結果としてクライアントやSES企業からの評価も上がり、さらに次の案件につながりやすくなります。

自分が興味のあるスキルの習得

気になるスキルや資格について勉強するのもよいでしょう。新たなスキルや資格の習得によって、業務の幅が広がったり、プロジェクトに参画しやすくなったりする可能性があります。

スキルや資格の習得には、プログラミング学習サービスやeラーニング、書籍などを利用するのがおすすめです。

SES企業によっては、業務に不可欠な研修や資格取得にかかる費用であれば、会社負担になる場合もあります。人事部などに、研修や資格取得などを支援する制度があるか確認してみるとよいでしょう。

SESの待機期間中の給与はどうなる?

SES企業の就業規則や賃金規定などによるものの、正社員であるSESエンジニアであれば、待機期間でも給与が発生します。ただし、企業によっては減額されることがある点には注意が必要です。

待機期間時の給与形態には、例えば次のようなものがあります。

・無給(有期雇用契約の場合)

・満額支給

・減額支給(休業扱いで6割支給など)

・基本給のみ支給

・月給は満額支給し、賞与で調整 など

給与については就業規則で規定されているはずなので、あらかじめ就業規則をチェックしたり人事に確認したりするなどしておきましょう。満額支給でも、常駐手当などが支給されないことで給与総額が減ることもあります。

また、参画しているプロジェクトの期間ごとに有期雇用契約を締結するようなケースでは、プロジェクトに参画していない間は雇用契約が存在しません。そのため、待機期間は無給になりますので注意しましょう。

SESの待機期間の背景を知って行動しよう

SESエンジニアは、次のプロジェクトが決まっていない場合に待機期間が発生します。待機期間中の給与は、支給されるケースと支給されないケースがあり、支給されたとしても満額支給されるかどうかは、そのSES企業の規定によります。

また、待機期間は勤務扱いとなるため、自由に過ごすことはできません。SES企業などから指示がなければ、ぜひSESエンジニアとしてのスキルアップのための勉強に取り組みましょう。

給与をもらいながら勉強できる貴重な機会と捉えれば、待機期間は非常に有意義な期間といえます。今回紹介した過ごし方を参考に、ぜひ有効活用してください。

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