インフラエンジニアのスキルアップ方法5選|必要なスキルやおすすめ資格を解説
インフラエンジニアは、エンジニアの中でも目指している方が多い人気の業界です。サーバーやネットワークの設計、構築、運用保守などを仕事としており、幅広い知識やさまざまなスキルが必要です。
そこで今回は、インフラエンジニアに必要なスキルやスキルアップの方法、スキルを客観的に示すためにおすすめの資格を解説します。
INDEX
インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、ITの基盤となるサーバーやネットワークの設計、構築、運用保守などを行うエンジニアを指します。
企業によってはバッチファイルというプログラムの作成や、データベース製品のインストール、保守運用などを担当することもあります。また、インフラ製品の選定やベンダーマネジメントなども担当するため、エンジニアとして幅広い知識と経験が必要な業種です。
さらに、インフラエンジニアの中でサーバー系に強みを持つエンジニアをサーバーエンジニア、ネットワークシステムの設計・構築・保守に強みを持つエンジニアをネットワークエンジニアと呼ぶこともあります。
インフラエンジニアに必要な4つのスキル
インフラエンジニアに必要なスキルは、以下の4点です。
・サーバーを構築・運用するスキル
・ネットワークを構築・運用するスキル
・セキュリティ対策のスキル
・クラウドコンピューティングのスキル
ここからは、これらのスキルについて解説していきます。
サーバーを構築・運用するスキル
1つ目のインフラエンジニアに必要なスキルは、「サーバーを構築・運用するスキル」です。インフラエンジニアの仕事の中でも、サーバーの構築や保守・運用がメイン業務となってきます。サーバーのOSにはLinux、Windows、Unixなどがよく使われるため、これらのOSの設定方法や扱い方も身につけなければなりません。
サーバーに関する業務に携わる場合、通常は運用保守業務から始まり、経験を積むにつれて構築や設計などの上流工程を担当するようになります。また、近年はサーバーのクラウド化も進んでいるため、Microsoft AzureやAWS(Amazon Web Services)などの知識を求められることも多いです。
ネットワークを構築・運用するスキル
2つ目のインフラエンジニアに必要なスキルは、「ネットワークを構築・運用するスキル」です。インフラの運用・保守やセキュリティ対策に至るまで、インフラエンジニアの幅広い業務に関わってくるのがネットワークです。
サーバーをはじめとする機器をつなぎ合わせるために、ネットワークに関するスキルが求められます。クライアントの要求を満たすインフラを構築するために、「どの機器」を「どのように接続」し、「どう設定する」かを検討しなければなりません。
また、アクセス集中によるサーバーダウンや、サーバーの故障によるトラブルを防ぐため、負荷の分散も設計する必要があります。
さらに、サーバーの構築にもネットワークの知識が必要です。ネットワークについての理解がなければ、サーバーの通信に不具合が発生した際に対応が遅れてしまいます。
セキュリティ対策のスキル
3つ目のインフラエンジニアに必要なスキルは、「セキュリティ対策のスキル」です。ネットワークやサーバーを設計する際には、セキュリティ対策が必須になります。
サーバーにおけるセキュリティは、主にセキュリティエンジニアが担当しますが、案件によってはインフラエンジニアが対応することもあります。
マルウェア対策や暗号化の知識、リスク評価やファイアウォールの設計など、基本的なセキュリティ対策のスキルはインフラエンジニアであっても身につけておく必要があるでしょう。
クラウドコンピューティングのスキル
4つ目のインフラエンジニアに必要なスキルは、「クラウドコンピューティングのスキル」です。時代の流れとともに、クラウド環境に構築されたクラウドサーバーが多くの案件で導入されています。
主なクラウドサービスにはAWS(Amazon Web Services)、Google Cloud、Microsoft Azureなどがあります。企業によっては導入していないこともあるので、必須のスキルではありませんが、習得しておくことで、より多くのプロジェクトで活躍できるでしょう。
インフラエンジニアに必要なスキルを身につける方法
インフラエンジニアに必要なスキルを身につける方法には、以下のようなものがあります。
・スクールで必要なスキルを身につける
・スキルマップを作成して活用する
・トレーニングサービスを使う
・資格の取得に挑戦する
ここからは、4つの方法について解説していきます。
スクールで必要なスキルを身につける
スクールで必要なスキルを学ぶことは、インフラエンジニアとしてスキルアップするための1つの方法です。独学よりもスキル習得までの期間が短く、勉強途中で挫折しにくい点がスクールに通うメリットです。
スクールの中には、Amazon社が運営するAWSに関する知識を短期集中で学べるものや、シスコシステムズ社が運営するネットワークエンジニア資格であるCCNAを取得できるものがあります。
自分に必要なスキルを考慮してスクールを選択することにより、効果的なスキルアップが可能になるでしょう。
スキルマップを作成して活用する
スキルマップを作成して、自分のスキル分布を可視化することで、効率よくインフラエンジニアのスキルを習得できます。スキルマップとは、自分が習得したスキルの種類やスキルレベル、実務経験をまとめた資料です。
自分が現在、どのようなスキルを持っているかを可視化することで、自分に足りていないスキルは何か、どのスキルを学んでいくと効率よくスキルアップできるかがわかるようになります。
スキルマップを作る際は、業務を行うために必要なスキルを細分化し、自分がどのスキルレベルでその業務を遂行できるかを、客観的に数値で記入して評価します。この数値をもとに自身に足りていないスキルを把握し、勉強の優先順位を決めて学習していきましょう。
トレーニングサービスを使う
トレーニングサービスを利用して、インフラエンジニアに必要なスキルを身につけられます。トレーニングサービスとは、スキルを身につけるために企業が提供している学習の場で、多くのITベンダーがさまざまなトレーニングサービスを実施しています。たとえば、Microsoftでは「Microsoft Learn」、Googleでは「Google Cloud トレーニング」、Amazonでは「AWS トレーニング」など、種類は豊富です。
これらのトレーニングサービスを活用することで、ベンダーの認定資格の勉強にも活かせます。インフラエンジニアを目指すならうってつけのスキル習得方法です。
資格の取得に挑戦する
インフラエンジニアに必要なスキルを身につける方法の1つとして、資格の取得に向けて学習することも有効でしょう。資格ごとに合格点の基準が設定されているため、学習計画の設定がしやすく、資格取得を通じてスキルアップも実現できます。
資格には、初心者向けのものから上級者向けのものまで、さまざまな種類があります。現在の自分のスキルに合った資格の取得を目指し、スキルアップへとつなげていきましょう。
インフラエンジニアとしてスキル証明のために取っておきたい7つの資格
インフラエンジニアがスキル証明のために取得をおすすめする資格には、以下の7つがあります。
・Linux技術者認定
・ORACLE MASTER
・AWS検定
・シスコ技術者認定(CCNA)
・ネットワークスペシャリスト試験
・データベーススペシャリスト試験
・システムアーキテクト試験
ここからは、上記の資格について解説していきます。
Linux技術者認定
インフラエンジニアとしてスキル証明のために取っておきたい1つ目の資格はLinux技術者認定です。Linuxは、世界中の大企業のサーバーOSで使用されているシェア率の高いOSです。Linux技術者認定は、Linuxサーバーを扱うための知識を証明できる資格となります。
Linux技術者認定には「LPIC」と「LinuC」の2種類があります。LPICは国際基準、LinuCは日本国内向けの資格です。LPIC、LinuCそれぞれ、レベル1からレベル3までの3レベルに区分され、数字が上がるほど難易度の高い資格となります。
■公式サイト
Linux Professional Institute(LPIC)
IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan(LinuC)
ORACLE MASTER
インフラエンジニアとして取っておきたい2つ目の資格は「ORACLE MASTER」です。ORACLE MASTERは、データベース製品で世界的に多くのシェアを誇るOracle社が認定するベンダー資格です。取得することによってOracle社製データベースに関する知識を有していることを証明できます。世界的にも認知度が高い人気の資格です。
ORACLE MASTERは、Bronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)、Platinum(プラチナム)というレベルで分かれており、BronzeからPlatinumに向かって難易度が増していきます。自分の今のスキルに合ったレベルの資格取得を目指しましょう。
■公式サイト
ORACLE MASTER Portal – be an ORACLE MASTER – | オラクル認定資格制度 | Oracle University
AWS認定
インフラエンジニアとしてのスキルを証明するために取っておきたい3つ目の資格は「AWS認定」です。AWS認定は、Amazon社公式の資格です。取得することで、クラウドコンピューティングサービスであるAWS(Amazon Web Services)についてのスキルや知識を証明できます。
AWS認定にはスキルレベルやスキル内容によって、2023年7月時点では12種類の認定試験があります。自分のスキルに合わせて、自分がより専門性を高めたい分野の資格を取得していきましょう。
■公式サイト
AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS
シスコ技術者認定(CCNA)
インフラエンジニアとしてスキル証明のために取っておきたい4つ目の資格は「シスコ技術者認定(CCNA)」です。シスコ技術者認定は、ネットワーク機器の大手であるシスコシステムズ社が実施している認定試験であり、取得することでネットワークエンジニアのスキルを証明できます。
具体的には、ネットワークやセキュリティの基礎的な内容から、LANスイッチングなどの機器の仕組みまで、ネットワークインフラに関する知識が問われます。
シスコ技術者認定には認定レベルと認定分野があり、認定レベルは入門レベル(エントリー)から上級レベル(エキスパート)までの4段階設定です。また、各レベルの資格はさらに9つの分野に細分化されています。
たとえば、同じCCNAの中にも、クラウドやデータセンター、ワイヤレスなど、特定のコンポーネントやサービスに特化した分野に分けられています。
業務や業界ごとに選択できるよう資格が設定されているので、自身の目指す分野の資格を取得しましょう。
■公式サイト
CCNA – Training & Certifications – Cisco
ネットワークスペシャリスト試験
インフラエンジニアが取っておきたい5つ目の資格は「ネットワークスペシャリスト試験」です。ネットワークスペシャリスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、ネットワークに関する技術力が証明できる国家資格となっています。
その名前の通りネットワークについての幅広い知識が問われる試験で、合格率も低く取得難易度の高い資格です。そのため、まずは実務経験を積み、さらなるスキルアップをしたいと感じたタイミングで取得を検討してみましょう。
■公式サイト
ネットワークスペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
データベーススペシャリスト試験
インフラエンジニアとしてスキルを証明するために取りたい6つ目の資格は「データベーススペシャリスト試験」です。データベーススペシャリスト試験は、データベースに関する技術力を認定する国家資格です。ネットワークスペシャリスト試験と同じく情報処理推進機構が実施しています。
データベーススペシャリスト試験も合格率が低く難易度が高めで、データベースに関する幅広い知識が必要な資格です。データベースはインフラエンジニア以外にも、データベースエンジニアやアプリケーションエンジニアにも大きく関わりを持つ分野であるため、取得しておくと仕事の幅を広げられるでしょう。
■公式サイト
データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
システムアーキテクト試験
7つ目のインフラエンジニアとしてスキル証明のために取っておきたい資格は「システムアーキテクト試験」です。システムアーキテクト試験は、幅広い情報技術関連の知識を扱う基本情報技術者試験、応用情報技術者試験よりもさらに上位に位置付けられる資格です。データベーススペシャリストとネットワークスペシャリストと同じく、情報処理推進機構が実施しています。
応用数学から情報システム戦略までと必要知識の範囲も広く、かつ専門性が高い高度区分試験です。経験を積んだ上で、より俯瞰的に知識とスキルをつけていきたいときに取得を目指してみるといいでしょう。
■公式サイト
システムアーキテクト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
インフラエンジニアとしてスキルアップする方法を知っておこう
サーバーやネットワークの設計、構築・運用保守など幅広い役割を持つインフラエンジニアですが、役割が幅広い分、仕事の幅も広げやすいエンジニアであるともいえます。ぜひ本記事を参考に、インフラエンジニアとして積極的にスキルアップを目指してみてください。
Fairgrit®メディア編集部です。
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